愛に飢えた人は言った。

「愛は金じゃ買えない。」と。

私の中に渦巻く感情に

彼は一言

「承認欲求」と名付けた。

私がする言動の全てを

そんなものの表れだといって

揶揄することで

どうやら優位に立とうとしているらしい。

愛を知らないあの人は言った。

「有象無象に愛されたって

嬉しくはないんだ。」と。

彼は今でも

舞台の上に立ち続けている。

承認なんて陳腐なもので

私たちの腹は膨れないし

冬の寒さは越せない。

ただどうしようもない欠乏と孤独は

私たちを殺そうとしてくるじゃないか。

なら私は生きるために

誰かに認めてもらおうとする。

たとえそれが紛い物だとしても。