AMDのCPUを使っている方で、「CPUのスッポン抜け」という言葉を聞いた方は多いかと思います。
なぜスッポン抜けが発生するのか、初めての方向けに簡単に書いてみます。
AMDのCPUの裏面にはピンが並んでいる「PGA」と呼ばれる構造を採用しています。(AM4で最後?)
一方、IntelのCPUは、CPUの表面にランドが並んでいる「LGA」と呼ばれる構造を採用しています。
LGAでは、CPUクーラー側にピンが並んでいるため、CPUをソケットに挿入する際に、CPUクーラー側のピンがランドに刺さってCPUが固定されます。そのため、CPUクーラーを外す際にも、CPUクーラー側のピンがランドから抜けなければ、CPUはソケットから抜けることはありません。
一方、PGAでは、CPU側にピンが並んでいるため、CPUをソケットに挿入する際に、CPUのピンがソケットのピンに刺さってCPUが固定されます。CPUクーラーを外す際には、CPUのピンがソケットのピンから抜けないと、CPUはソケットから抜けることはありません。
スッポン抜けが発生する原因は、CPUクーラーとCPUの間に塗布されているグリスが固着(または密着)して、CPUクーラーとCPUがくっついてしまうことです。この状態になると、CPUクーラーを外そうとすると、CPUも一緒に抜けてしまうことがあります。
PGAでは、CPUのピンがソケットのピンに刺さっているため、CPUを外す際には、CPUのピンがソケットのピンから抜ける必要があります。
そのため、CPUクーラーとCPUの間に塗布されているグリスが固着(密着)していると、CPUを外そうとすると、CPUのピンがソケットから抜けにくくなり、結果として、CPUクーラーと一緒にCPUも抜けてしまう、スッポン抜けが発生しやすくなります。
また、PGAでは、CPUソケットの構造が原因でスッポン抜けが発生することもあります。AMDのCPUソケットは、レバーをひっかけてCPUを固定しています。しかし、レバーの爪が小さいため、強い力が加わるとレバーが外れてCPUが抜けてしまうことがあります。
このスッポン抜けにより、CPUのピンが曲がったり、折れたりするリスクが高かったりするので、私の場合は、一旦CPUに負荷をかけるソフトを動かしてCPUの温度を上げた後に、取るようにしていましたが、最近次のようなCPUのスッポン抜け防止用のプレートを見つけたので、早速購入致しました。
ただし、懸念事項として、事前の情報では我が家のPCに搭載している簡易水冷を使用している場合は、
加工の必要性があるかも、ということが情報から得られましたが、価格もとても安かったので、ダメもとで購入致しました。
こんな形が出てきました。
想定していた形状のため、「要加工」の覚悟を決めました。
ちなみに、私が欲しかった形状は、これをひっくり返した形状のものでした。
下記の図の通りですと、デフォルトで付いていた、AM4ソケットブラケットを外して、
スペーサを挟んで固定する形状のため、これにあったCPUクーラーを使用する場合は
あとはこのプレートの穴がネジにフィットしていれば問題はないと思います。
しかしながら、我が家のPCの場合は、標準のCPUのブラケット(マザーボードの上に付いている部位
は不要)は外して、使用するタイプのため、まずはこの四隅の穴の空いている部位を逆側に曲げる作業が発生しました。
※私の場合は、ベンチを使って曲げました(笑)
さて、次なる問題は、これを標準で付いていた(マザーボードの裏側から取り付けるブラケットのネジを
取り付ける突起状の部位)が、購入したプレートの穴が小さかったため、ドリルとルーターを使って穴を広げ、
最後にもう一度ペンチで形状を整える手間が発生しましたが、何とか対応できました。
ちなみに、この取り付けには非常に手間と時間と道具が必要なので、
ポン付けを期待されていたり、道具と手間と時間を省きたい方にはお勧めいたしません。
とはいえ、一度できると以降はスッポン抜けの心配が無くなるのは非常に嬉しい限りです。
一応、下記に製品のご紹介のリンクを貼り付けますが、もし取付を検討される場合は、
上記の事を十分に考慮に入れて、自己責任でお願いします。
※メーカー様へ
是非、ポン付けができる当該プレートの製品のご検討をいただきたく
お願い申し上げます。
(今後はAM5となり、市場の規模は減少傾向に移行すると思いますが)