娘が小学生の頃のこと。

学校で「満月は太陽が沈むと同時に東の空に昇る」と教わり、

娘は自分の目で見たいと言い出していた。

 

箱根に出かけた日がちょうど満月で、ちょうどいい山頂にいた。

到着した15時半ごろから、のんびりと待つことに。

おやつを食べたり、スケッチしたりして。

 

日没の18時30分を前に天体ショーが始まった。

(家族が「17時30分だ訂正しろぉ」と言ってます。流し読みでお願いします。)

 

ゆっくりと海に、水平線に接近する太陽。

真っ赤に染まる空。

 

太陽が沈むのを見届けて後ろを振り向くと、

山際から大きな満月が昇ってきた。

 

自然の天体ショーに、盛り上がる私たち。

「もう帰る」という娘の声で気が付けば、真っ暗な山頂に3人きり。

 

そういえば、山の東側は墓地。

 

大きな満月を背に山道を3人1列で降りる。

駐車場まで「道が細い」とか、「遠い」とか言葉少なに歩いて、

車に戻ると急におしゃべりになる私たちだった。