ネタバレあります!




 と警告してから書き始め。
 一話ごとの感想を書いた後に、全体を通して見た感想……という体裁で書いてみようかと。というわけで、今回は第一話の感想をば。

 犯人は予想通り。これについての詳細は長いので、後の方に書きます。興味のある方はどうぞ(汗)
 一話目にしては、思ったよりもボリュームがあってビックリ。あと、弁護側の告発がミスったのには驚きました。最初の告発からの二転三転っぷりは、これぞ逆転裁判!といった感じで、待ちに待った新作をプレイしているんだなぁとしみじみと実感できました。
 難点としては、後に明らかになるんだろうとは予想できたものの、動機が明らかにならないままだったオチにはちょっとがっかり。それと、結局のところ不正な証拠を使ってしまったことも残念。
 あと、弁護側に立ってからの成歩堂の貫禄が、ちょっと鼻についたのが残念かも。あんな余裕がある態度……なるほどくんとは思えない!(汗) ところで、一話目から伏線張りまくりってのはどうなんだろう?

 早速登場した新システム「みぬく」。それ自体はなかなか面白いと思いましたが、あの背景エフェクトは目が痛くなる……。


 さて犯人の話。
 実は体験版の段階で、犯人の予想はついていました。ただ、自分で「それはないだろう」と思って口にもしなかったのですが、成歩堂のロケットを見たときに確信に変わりました。
 といっても、謎を解いた上で犯人を導き出したわけではなく、クリアした人なら分かるでしょうが、法廷冒頭の会話が論拠というわけでもありません。
 物語を作る上での方法論で考えてみたのです。長くなるので興味の無い人は読まない方がいいかと……。

 まず、旧三部作での法廷の人物構造を考えてみます。
 検事と弁護士+αが向かい合い、その間に証言台(とそこに立つ人)、それを見下ろせる位置に裁判長。
 さて、逆転裁判シリーズでは、弁護士側に立つ人間は一部の例外を除いて、常に二人です。成歩堂なら千尋(憑依も含む)・真宵、千尋なら大先生・神乃木、といった具合です。ここから先は成歩堂+相棒のパターンで書くことにします。
 証人への尋問で、成歩堂が最後の証言にゆさぶりをかける(もしくは最後の証言の後でAボタンを押してメッセージを進める)と、成歩堂のつぶやきと、相棒のつぶやきが入り、証言の最初へと戻ります。適当に例文を考えるなら「この証言が崩せなければ負ける……!」「がんばって、なるほどくん!」といった感じでしょうか。

 さて、成歩堂の相棒は主に真宵でした。もしくは、真宵か春美が霊媒して出てきた千尋。しかし千尋が出てくる局面といえば、ピンチの時や終盤の時が多かったと思います(ストーリーの都合上、というケースもありましたが)。

 ここで新章の登場人物を考えてみます。
 王泥喜の相棒、つまり成歩堂における真宵の立ち位置に来るのは、十中八九「みぬき」でしょう。そうなると、牙流弁護士はシリーズ一作目の千尋のように、早々に退場して貰わなければならないんじゃないか?と考えたのです。
 旧三部作での、霊媒された千尋の立ち位置に牙流弁護士が来るケースも考えはしました。しかし、主人公の弁護士とその助手……と揃っているところに、三人目として現役かつ先輩の弁護士が割り込んで来るための、綺麗な形を思いつくことができなかったのです。旧三部作では、霊媒という要素で無理なく(?)登場できましたが。
 強引に三人並ばせたり、みぬきと入れ替わり立ち替わりで画面に出る……なんてパターンもありかもしれませんが、仮に出てきたとしても「だったらお前が最初から弁護しろよ!」なんてツッコミが入りそうに思えました。
 そうなると、牙流弁護士はいかにして退場するべきか?殺されてしまうのでは旧三部作と同じで、ファンが「またか!」と言いそうです。では弁護士から検事に転身して敵に回る……いや、これは事前に牙流弁護士の弟が検事キャラとして発表済みなのでなさそう。

 と、ここで思考をいったん切り替えて、千尋の立ち位置を改めて考えてみます。法廷パートではピンチや終盤に登場……と先ほど書きましたが、探偵パートではどうだったか?成歩堂の良き師匠かつ相談役として、要所要所で出番があったと思います。この立ち位置のキャラクタも、新米弁護士の王泥喜には必要でしょう。
 事前情報では、候補は二人しかいません。お分かりかと思いますが、牙流弁護士と成歩堂元弁護士です。
 逆転裁判シリーズの顔とも言える巧舟氏は「成歩堂たちの物語は3で終わりにして、4では登場人物を一新したい」ということを、かねてから発言していました。これを考慮すると、師匠兼相談役に成歩堂は考えにくい……とは思いました。しかし牙流弁護士がこの立ち位置に来てしまうと、法廷パートに顔を出さないのは不自然に思えるのではないでしょうか。

 ここまでの考えを整理して、以下の可能性に絞り込みました。

1:相談役は牙流弁護士。旧三部作の大先生のように、事務所でしか会うことができない。
2:相談役は牙流弁護士。法廷パートの要所ではみぬきに代わって顔を出す。
3:相談役は成歩堂。探偵パートで会うことはできるが、弁護士バッジを失っているので法廷パートでは弁護側に立つことはない(立ちづらいだろう)。矢張みたいに証言台からの発言はあるかも?

 まずが消えます。理由は、要所で出番がなくなるのなら、みぬきの存在意義が薄くなってしまうからです。また、先ほど書いた「だったら最初から……」ということで、主人公より活躍してしまう可能性があるからです。
 次に、考えた末にを消しました。論拠は、それでは師匠としてのありがたみが薄すぎる……と考えたのと、「成歩堂たちの物語を3で終わりにして……」と言う割には、結局のところ成歩堂が4に登場しているじゃないか、というムジュンを検討してみたのです。それだけの思い入れのあるキャラクターを、ゲスト程度の扱いで登場させるだろうか?と。

 残ったのは。やはり牙流弁護士は早々に退場して貰わなければならない。
 どうやって?と、先ほどの思考に立ち戻るわけですが、殺されるのは無し。検事への転身も無し。ライバル弁護士?……どんな風に絡んで来るんだ?依頼人の奪い合い?これも無いだろう……。弁護士を辞める羽目になる?それだけじゃ弱い。強烈な理由が必要だ……捕まる?これか!これならインパクトも充分だ。
 というわけで、一話の犯人は牙流弁護士だと推察したわけです。

 成歩堂がロケットの中に入ったみぬきの写真に「ぼくのムスメだ」と言った時、確信に至った訳ですが、これは「このまま成歩堂が一話のみの登場では終わらない」と考えたためです。ならば、同じ立ち位置に二人も要らない。牙流弁護士は間違いなく一話で師匠役から降りる羽目になるだろう……犯人として。

 この推論が正しいのかどうかは分かりませんが、以上の考察からとりあえず犯人は予測できました。まぁ、犯人だけが分かったところでどうしようもないんですけどね(汗)