昨秋は10月のシャクナゲの作業を終えて、11月中頃から今冬のササユリの植え替えを始めた。1、2月は水を使う作業が辛くなるので、12月終了を目指して、他の予定のない日は3~4時間/日で、土、日も休むことなく作業を続け、久しぶりに真面目に仕事をしているような、充実した気分だった。作業の手順は、①球根の掘り起こし、②球根の水洗、根の整理、鉢の洗浄、③新しい土壌(鹿沼土微粒+赤玉土小粒)の準備、④球根の消毒(消毒液:青森ヒバ精油を少量のエタノールとともに乳濁、分散させた水溶液、の噴霧)、⑤球根の撮影(球根サイズの計測のために物指しと並べて)、⑥新しい土壌への植え込み、青森ヒバ消毒液の噴霧、⑦鉢底から粉土壌の濁り水が出切るまで施水、⑧球根の数やサイズのExcel表へ記録(夜の仕事)。12月中旬まで順調に捗っていたが、下旬の寒波の到来日に体の芯までの冷えを痛感し、以後、作業ペースを意図して大幅に落とした。それでも、何とか、年内に315鉢の植え替えを終えることができた。残った20個のプランターの植え替えは1月以降の仕事にした(プランターには主に2017-2022年に播種したものを植えている)。1月は他の用事に手を取られたこともあり、また、気温(水温)と相談しながらの作業は老人の意欲を削ぎ、思うように捗らなかった。それでもようやく、2月12日にプランターの植え替えも終えた。もっとも、一部は今年の植え替えを止め、2年ごとの植え替えにすることにした。全体的な反省としては、年々、作業効率が悪くなり、年齢を痛感させられて、自己嫌悪に陥りそうになる。
植え替えは単純作業で、鼻歌を口ずさみながら、また、考え事をしながら、時には、嫌なことや気恥ずかしいことなど、昔のことを思い出して、一人赤面しながら、手を動かしているが、時には嬉しいこともある。私が交配親としてもよく使うササユリは湖西のササユリ間で受粉させて、2012年の初花以来、ほぼ毎年花を見せてくれている。これまでに花を見なかったのは3年だけである。昨冬(2022年12月)の球根のサイズは長さ31mm、球根の最大胴回りの直径38mmと大きくなっていたので、球根の最外殻の鱗片1個を取り外して、鱗片挿しにした。翌年5月末に開花して、5日間ほど清楚な姿を見せてくれた(写真1)。12月に掘り起こしたところ、球根はまた少し大きくなっていた。そして、鱗片には、二つの小球根が乗っていた(写真2)。
順調に球根が大きくなるのを目にするときは、植え替えも苦にならない。
写真1.ササユリの開花 撮影 20230529
写真2.掘り起こされた球根 撮影 20231216