季節外れであるが、遅ればせながら、我が家の今春のツツジ、シャクナゲの状況を振り返る。

実は、2月に日本ツツジ・シャクナゲ協会滋賀支部のホームページ(HP)が開設され、そのギャラリー頁に会員の栽培するツツジ、シャクナゲの今年の開花写真を掲載している。私も30枚以上の写真を提供した。同HPにはシャクナゲ栽培の頁も用意され、季節ごとに、シャクナゲ栽培の作業について会員のやり方が紹介されている。順次、更新される予定なので、この頁も参考にしていただけるのでは、と思う。このHPのURLは以下の通りです。

  https://rhododendrons-in-shiga.jimdosite.com

 

 そんなわけで、二回に分けて、簡単にシャクナゲを回顧することにする。上述のHPと併せて見ていただけると幸いである。

 3月中頃になって、ゲンカイツツジの交配品種の幾つかが咲いた。しばらくして、私の好きなアカヤシオツツジが咲いた。アカヤシオついては、202303の本ブログに記述している。シャクナゲの開花第一号として「キバナシャクナゲ×アカボシシャクナゲ」と「ワダストライアンフ」(和田弘一郎氏作出)が3月20日頃に咲いた。次に、有鱗片シャクナゲの園芸種「クリソマニカム」、「さざなみ」、「吉野」(後者二つは平野重一氏作出)の開花が続く。

 3月28、29両日、日本ツツジ・シャクナゲ協会の全国大会が三重県で開かれ、私も滋賀の仲間5人と一緒に参加した。コロナ禍のせいで、参加者は少なかったが、3年振りの再会で楽しい一時であった。同じ趣味の方々と話すのはいつでも楽しい。4月7~9日、京都府立植物園で4年振りに京都支部によるシャクナゲ展が開かれて、私も接ぎ木例(合わせ接ぎと芽接ぎ)2鉢合わせて、10鉢を出品した。開花株の内訳は比良ホンシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、イセヒカゲツツジ、「立山桜(富山県産ホンシャクナゲ、多分)」、アカボシシャクナゲ、園芸品種「黄龍」(蕾膨らみ始め)、「春一番」(どちらも、多分、平野重一氏作出)、「(ネリアーブ×オキシャクナゲ)×ネリアーブ」(1999年交配)。今年はシャクナゲの開花が早く、例年のシャクナゲ展では京都北山、比良山系のホンシャクナゲが中心なのが、今年はツクシシャクナゲ、ヤマトシャクナゲ、それに多くの園芸品種と賑やかだった。正確な来場者の数は知らないが、3日間で3000人は超えたのではないだろうか。京都支部の会員数がすっかり減ってしまって、準備日も加えて、4日間皆勤だった。老骨はいささか疲れを覚えた。展示会の合間に植物園の園内を見て回った。生態園のホンシャクナゲは以前より元気がないように思えた。印象的だったのは、アマミセイシカ。今年は早くも見頃だった。シャクナゲ園では、赤色の園芸品種「ビビアニ」や「アイベリースカーレット」の鮮やかな色が瑞々しかった。

 4月中頃までに咲いたその他の主なツツジとシャクナゲは原種のアーボレアム、アカボシシャクナゲ、ホンシャクナゲ(比良山系実生および接木)、ホンシャクナゲ(鈴鹿系接木、開花は比良山系のほうが鈴鹿系より1週間ほど早い)、ツクシシャクナゲ、(「飛天」、「深覆輪」、無名など4種)、園芸品種では、ネリアーブ、ネリアーブ・レッド、黄龍、桜狩など、ツツジではクロフネツツジ、ムラサキオンツツジなど三つ葉ツツジ4種などが咲いた。

 4月15日に近江富士花緑公園ふるさと館で滋賀支部によるシャクナゲ教室と展示会が行われた。例年、公園内にテントを張って、屋外で行われるのが、今年は雨天のために急遽、変更されたもの。談話室や通路に置かれた鉢は例年より少なかったが50鉢以上の出展があったように思う。私は鈴鹿系ホンシャクナゲ、「ヤマトシャクナゲ×R. simiarum」、黄色花園芸品種「黄龍」など5鉢出展した。シャクナゲ教室は「日本と世界のシャクナゲと種々のシャクナゲ栽培技法」についての講演。ご多忙の三日月大造滋賀県知事に会場に来ていただいて、展示会をご覧いただき、雨脚の弱くなった合間を見て、シャクナゲの森の創立40年を記念して、ホンシャクナゲの植樹をしていただいた。折しも、この日、10年前に当時の嘉田知事に記念植樹していただいた鈴鹿系のホンシャクナゲが見事に咲いていた。ホンシャクナゲは滋賀県の県花である。

 

 

写真1.有鱗片シャクナゲ 園芸品種「クリソマニカム」(‘Chrysomanicum’ (R. chrysodoron×R. burmanicum)).    撮影20230327

写真2.有鱗片シャクナゲ 平野重一氏交配作出「春一番」(R. carolinianum×サクラゲンカイツツジ).     撮影20230410

写真3.無鱗片シャクナゲ 「(ネリアーブ×オキシャクナゲ)×ネリアーブ」(1999年交配).20230429のブログに記載したシャクナゲの兄弟.   撮影20230410

写真4.無鱗片シャクナゲ 園芸品種(多分、平野氏作出)「黄龍」.   撮影20230416