ややさし。

やさしさは、見えません。聞こえません。
姿形がありません。だから、やさしさをよく知りません。
家族のやさしさを、友達のやさしさを、
恋人のやさしさを、きっと、まるで気づいてません。
お店のひとから、学校のひとから、会社のひとから、
ネットのひとから、となりのひとから、とおくひとからも、
やさしさを、もらった記憶が、もらったはずがありません。
具体的でない、数字的でもない、ただの空想です。
絵に描いた餅で、机上の空論で、甘ったるい答えです。
だけど、ぼくは生きてます。
どちらかというと、しあわせに。
やさしさは、目の前にあるわけではありません。
あったように思えてすぐに消えてなくなります。
そして、やっぱり、なかったことになります。
だけど、ぼくは生きてます。
やさしくないはずのひとたちに囲まれ、
やさしくないはずの世界の中で。
そして、やさしくないはずのひとたちも、
やさしくないはずの世界を生きています。
それはきっと、知らないからです。
やさしさを全然知らないからです。
見えてない、聞こえてない、触れてない。
覚えてない、許してない、信じてない。
やさしさのほとんどは、
目の前にはないんです。想像できる範囲にもないんです。
ぼくの世界に、やさしさはないんです。
やさしくない姿形をして、
やさしくない角度や距離から、
やさしくない雰囲気をだしながら。
ただそこに、やさしくない何かとして、
ぽっこり、ぷっくり、ふわふわと、あるんです。
やさしさのほとんどは
やさしくないものばかりです。
気づかれず、誤解されもし、
たまたま、凹凸が合うときだけ
「やさしい」になるんです。
ほとんどのやさしさを知らないまま
それでもしあわせにいきている。
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