[恋文]なぜ、手放したのか。 | 作家 吉井春樹 366の手紙。

[恋文]なぜ、手放したのか。

もしかしたら、

もともと手なんて

繋いでなかったのかもしれません。

掴んだ、握ったつもりで、

調子に乗ってただけなのかもしれません。

いつでも手の届く場所にいる、と、

カンチガイをしていたのかもしれません。

本当なら、しっかり強く、でもやさしく、

その手を握りしめておくことができれば、

違う未来になっていたのかもしれません。

ただ、なぜ手を放したのかと言うと、

自分の両手は、

すでに、ふさがっていたからですね。