
世界にも約30丁しか残っていない、バリトンという古楽器の演奏会。
バリトン、モーツアルトの父親が、共鳴弦のある楽器の中でも最もいい音がする弦楽器だと、教則本に記しています。ハイドンも、古の楽器を最も愛したと言われています。
1月21日に行われた上野学園のコンサート。

上野学園
白亜の殿堂です。綺麗。
ピアノの辻井君が在学中の学校として、注目を浴びていますが…仙川の某音大のボロさを見慣れた私には、ゴージャスでビックリ

上野学園は積極的に、コレクションした楽器を、展示品ではなく、生きた楽器として公開したいという目的で、演奏会を開いています。
今回は、1977年にネックと胴内部を補修、駒は作り直して演奏可能状態に、エンドピン除去、緒止め板と緒止め柱を18世紀仕様に修復。(写真をご覧になって、この状態が本来のかたちと思わないで下さい。まだまだわからないところもあるそうです。
'77の修復は、当時、バリトンに関する資料がなかったためか、本来のものとは違う形に仕上げてしまった可能性が高いらしいです。
その為に演奏しにくかった問題点を、今回は、駒などの調整で若干整えたらしいです。)

写真の通り、頭部は獅子。奏者の武澤さんに「可愛い!」と言ったら、「可愛くない」と否定されました。
(-o-;)武澤さん、正直な方です。
現存のバリトンが少ない中(世界で30と言われています。)、演奏可能な楽器として大変貴重で、有意義な企画でした。
【曲目】
トマジーニ/バリトン三重奏…Korcak20
ハイドン/バリトン三重奏(87番)
アーベル/二つの小曲
ハイドン/バリトン三重奏(70番)
ハイドン/バリトン三重奏(88番)
萩森英明/Round Midnight
安田貴裕/4つのヴォカリーズ風小品より
ハイドン/バリトン三重奏(81番)

この方は、バリトンを弾いた武澤。普段は某オケのチェロ奏者。

これは、バリトンとチェロを弾いた多井のCD。古学から現代曲、クラシック以外でも超売れっ子のチェロ奏者。

↑これは、当日の曲も作曲したビオラの安田参加のCD。ギターの鈴木大介さんのアルバムでは、ヴァイオリンを弾いています。
普段はこんな感じで、現代曲を中心にやっているので、今回、古学に合わせ、はじめて金属を巻かない弦を使用。調弦に時間がかかってました!
(;^_^A
安田は舞台芸術系のオケにも所属、こんな演奏も担当してます。
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クラシックが何となく難しいと感じる方は、クラシック以外から、クラシックにアプローチしてみるのも、面白いと思いますよ!