インドに呼ばれない。 | アナナスのサイトーシング・10。

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私たちのDNAの中の窒素、歯の中のカルシウム、血の中の鉄、アップルパイの中の炭素は、崩壊する星の内部で作られた。私たちは星でできているんだ。
(天文学者カール・セーガン)
あなたもわたしも⭐️で出来ている。

インドって、インドに呼ばれないと行けないんだって。
ほんとかなあ。

若かりし頃。
世の中はこんなに物騒じゃなくて・・・・
テロとか、国境越えてそんなにあちこちでは聞かなかった。
今思えば結構平和だったんだなあ。
70年代とかの方が物騒だったんだよね。
今の子は信じられないかもしれないけれど、日本人が海外で起こしたテロとかもあったのよ。

で。当時友達が旅行代理店に勤めてて、今ほどネットが充実してなかったから、飛行機のチケットとホテルだけ予約して貰っていたんだけど。
そこって、一応みんな一般商品の手続きもするんだけど、一番上司「地元の学校の修学旅行や企業等の団体旅行」、二番目上司「ちょっと年配向けパックツアー」、友達の先輩「ハネムーン」、一番下っ端の友達「飛び込み等それ以外いろいろ」を主に担当していて。
それぞれに大変な部分はあるらしいのね。
修学旅行なんて、あの人数海外に連れていくだけで大変じゃない?あせる
でも、いまだにたまに聞く、修学旅行先での他校の生徒とのイザコザが、海外に連れて行くと、ビビッて叫びほぼないんだって。だから先生はその点は安心らしい。
「ねえちょっと。アンタ、また香港行くの?たまにヨーロッパ行かない?超売れ残ってるんだけど」
「いや、もうしばらくヨーロッパいいわ・・・。今回は香港映画のロケ巡りする予定なの。あと友達が和菓子食いたいっつうから、渡しに。お土産に出前一丁買ってくっから!!
なんて話していたら、電話がリンリン携帯友達が呼び出されてちょっとモメてる。
どうやら彼女が担当したお客様らしい。
「・・・・どうしたの?」
「なんか荷物チェックでトラブル・・・」
昔って空港の入国審査とか手荷物チェックで日本人がひっかかることなんかあんまり無かったんだけど。
「他の人の荷物を預かって、それがあやしいってんで、別室に連れてかれたとかで・・・。今のお客様は、結局、誤解は解けたんだけど」
「ひええー。それってちょっと・・・あやしいお薬的な・・・?」
よく、運び屋にされたとか、怖い話聞きますよね。こわいよー。やだよー。
「いや、カレー粉!!むかっ
「はあ?」
前に並んでたインド人一家に、自分たちは荷物超過してるから、お前、これ持って検査してくれないかとか頼まれて布包み渡されたと。
よく分からず、イエスと言ってしまい、それを持って荷物チェックしてもらってたら「チョットあなた!?」となったと。
「インド人ってさ、とにかく荷物多いんだよ。売り物なんだか自分のものなんだかわかんないけど、それでもう検査時間かかるの。だもんだから、日本人て人がいいから、狙われちゃうのよ」
「で、カレー粉?」
「そうそう。日本人てだけで結構信用あるからさ。押しに弱いし。日本人はそれわかってないからカモられちゃうの」
うーーわーーー危険だよねえ・・・。
でもさ。「普通に観光で来ました。予定は1週間でーす。ふつーにガイドブックに載ってたホテルに泊まります」って、日本人がさ。
突然カレー粉何キロも持って現れたら、余計あやしいだろうよ・・・・。
「だからさっ。気をつけて。アンタも、ぼーっとしてっと狙われっかんね!!
いやいや、同じ手口そうそうねーべよあせる
と思って。
一週間後。関空にそっくりの香港国際空港にて。
まずマンゴージュース飲もうドキドキつうか、団子とか腐っちまうから早く渡さなきゃねえー。
えー。もう飲茶食べたい。まだ2時だもん、ホテル行って荷物置いて、地下鉄で行けば間に合うよービックリマーク
なんて友達と話していたら。
「・・・・エクスキュウズミー」
振り向けばインド人。
「・・・・ジャパニー?」
でっかい手荷物を差し出される。
「・・・すみません。無理ですガーン
いやいや、はやってんの、これ???
今日本から着いたばっかだよーな、日本娘2人連れが、味噌とか醤油ならまだしも、セメント袋くらいあるスパイス持ってたら、不自然なんだよ。話に無理があんだよ。
で、彼は、今度、ソウル便から着いたばっかの、めっちゃ美人の韓国女性に声をかけ、すんごい拒否され。こっちこないで、触んないで、警備員呼ぶわよ的な勢い。
だから、そっちも、キムチとか、粉唐辛子ならまだしも、カレー粉じゃ話に無理がある・・・あせる
もうそのへんの話からおかしいわけよ・・・・。

私。インド人を見ると。カレーが食いたくなる。
「・・・・カレー食いたくなってきた」
「私も。行くか・・・・」
その後、ホテルに荷物を置いて、インド人経営のカレー屋に行きました。
「ジャパ二。今着いたのか。暑いだろう。チャイを飲みなさい」
と、グラグラ煮立ったようなチャイを何倍も入れてくれる。
「・・・ありがたいけど、あちーんだよね・・・汗とまんねーよ」
「チャイラテフラペチーノみたいのは、ないのかね」

私は未だにインドに呼ばれていません・・・。