なむまめさん。
なんかこう書くとカワイイべ。
違う。
「なみあむだぶつ」のなむ。に、豆類が好きだから、豆。
なむまめは。
ベジ、エコ、被DV体質、鍼灸師。「気を操りたいんです。修行の為にインド行ってきます」と行って、よくインドに行く。彼女に言わせるとインドはすごく生き易いらしい。「日本は生きづらいのです。こんな格好してるだけで、じろじろ見られたり、疎外感があるのです」。
そりゃそーだろ。寒空の下、でっかい神様の石造を布で首から提げて、半袖じゃおかしいだろ。成田じゃまだ許容範囲として、成田エクスプレス降りたらもうムリだろ。
古着が好きと言って、穴が開いていたり、分けのわからない白い毛(なんなんだかいまだに不明。ファーとかデザインじゃなくて。ただなんかついちゃったカンジの)のいっぱいついた服を愛おしそうに着ている彼女。「人が着たあとの服が好きなのですーーー」。
宗教にハマってしまった同期生から、「心がキレイな順にかけているの」と言われ、いの一番に勧誘の電話がかかってきた。(ちなみにアタシは相当最後の方だったの。アタシの次は、アタシが普段から、アイツって根性悪いわよねって思ってるヤツにかけるって言うのよ。ちょっと・・・。それはそれで何か癪よね。「ちょっとっ。なんか随分時間かかったんじゃない。ねぇ、アタシ、去年アンタにシールあげたよね。ねぇ。それは心がキレイだからこそだと思うんだけど」と私だって心がキレイだと言うことを営業したら、二度とかかってこなくなった・・・癪っていうか、ショックよ)
あとはー、最近、居間でスキップしたら、梁に頭を打ち付けて、血がびゃーっと出て、5針縫ったり。
まあ、ちょっと楽しいカンジの娘ですな。
そして彼女の恋愛に対する信念がすごい。
「恋愛というものは死にたいと思ってナンボ」。
・・・・常に赤字決算じゃねえかそれじゃ・・・。
「ねーなむー、私思うんだけど、地球って今ヤバいって言われるじゃん。きっと、50年後くらいには、人類は月とかに移住してフロンティアしてるのかなあ」
軽い気持ちでそんなことを言ったならば。
食べていたかりんとうを口から撒き散らしつつ、
「なっっっっなんということを言うのでありますかっっっ。そんな・・・そんなことをするくらいなら・・・・私は地球と心中しますっっっっっっっ」
うん。地球から見たらそれは無理心中だと思うよ。
小学生の頃から、母(嫁)に代わっておばあちゃん(姑)に土下座したりしているから、それはそれは見事な土下座をするのね。
「私、いい土下座なんです」と言い出すので、「え。土下座にいいとかあんの」と聞いたら、「あ、やってみますか」と、いきなり椅子から降りて、床の上に正座して、土下座をした。
それがアナタね・・・。ピシッと決ってたのよ。茶道、華道、土下座道。私はそこに道を見た。
「なんか・・・すごいピシっとしてるね」と言うと、「フフン。年季が違いますから」と不敵に笑った。
DV体質で、初めて付き合った男に、殴られ蹴られはしてないけど、「土下座して謝れ」(また土下座かよ)とか、「俺は傷ついた、責任取れ」とか「俺は変わってしまった。こんな男にしたのはお前だ。お前が悪い」等と責められたらしい。で。普通どうするか。私なら、まあそういう男は身近に居ないのでわからないし。「そんな自分に対して無責任な事言ってんじゃねーよ。変わるも何も、おめーのクオリティなんか上がっても下がってもいねーよ。初めも今もゼロだゼロ」くらいのお説教で済むだろうし。フナドンなら、強烈なラリアット食らわせた後、場外乱闘だろうし、モアイなら石炭の代わりに炉にくべて亡きものとしまうだろうし・・・。
彼女はどうしたか。
彼の実家に、筵(ムシロ。ゴザじゃなくて、ムシロ)一枚持って玄関先で正座した。3時間も。真冬の雪が降ってる中。
そこんちのおばあちゃんが驚いて止めさせたらしいけど。
「わたくしが、お宅の息子さんを傷つけてしまったのです。申し訳ありません」と言ってまた土下座した。
DV状態ド真ん中の時には、決して自分に非はなくても、「自分が悪いから彼はこんなことをしたんだ」「彼がこんなことをするのは、自分が悪いからしかってくれたんだ」って思うらしいのね。状況がひどくなればひどくなった分、自分の事を責めるんだって。相手の評価を落とさないようにするんだって。
「まさにそーです」
すがって泣いたりもしたらしい。
それをアハハと笑って話せる彼女は、そーとー強い。
ま、そんなこんながあって。
とにかく尽くすタイプ。
ベジだけど、肉食人種の人と付き合った時は、ドライブに5時起きでこさえたお弁当を持っていった。まず肉以外に興味のない彼によって、ほぼ捨てられたらしい。
修行が好きな彼女。
「つらいつらい・・・ああ、私、生きているのですね。・・・これは・・・しゅ、修行」そう思って結構耐えられてしまうというのも、うーん、マズい。
鍼灸師というのは、以外とハードな仕事らしいのです。
しかも女で、他人の気を受けやすい体質とかで、患者さんを診てるうち、自分の体が悪くなったりもするらしい。
「うふふ。いいのです。・・・治療士というものの真髄はそこにあるのです。人を癒して癒して、自分はボロボロになって行くものなのです・・・」
心底嬉しそうにそう言った。
そんな彼女。
今はとてもステキな彼と恋愛中。もちろん優しい人です。
しかし、今までが今までなので、「おかしい・・・。今頃はもう辛くてもいいはず・・・。もしかして、付き合っていないのかも・・・」としきりに首をひねっている。
そんなアナタに、なんまんだぶ。。。