オーストラリアにホームスティしたという友人が、帰国して、お土産をくれた時のハナシ
そこんちのママがよく作ってくれたという、ケーキのレシピ付セット
すごくおいしそうなドーム型ケーキのパッケージ。
真っ白のクリームに覆われた、ホワイトチョコとココナッツ風味のケーキ
「私、すっごい食べ物不安だったんだけど、そこんちのおかーさんがお料理上手で、すごい助かったの。それで、毎日いつもおいしいケーキを作ってくれて。帰ると食べれないのがすごく寂しいって言ったら、ママ泣いちゃって。これを食べて思い出してねってくれたの。すっごいおいしかったから、一緒に作ろうと思って」って・・・ちょっとウルっとくるハナシじゃない。
でも・・・こんなのすごい難しそう。写真通りになんか出来っこない。
「おかあさん、いつも3時間くらいかけて作ってくれたんだよー」
えーーちょっとステキじゃなーい。
そんなステラおばさんみたいな人のいる家行ってみたーい。
「でも材料足りるかなー」
はじめから砂糖とかココナッツがブレンドしてある粉なんだとは思うけど。
ケーキって結構いろいろ使うんだよねー。
「卵とバターはあるけど・・・。あっ。生クリームなんかないよーーーー」
大事なとこじゃーん。
「買って来ようか。えーと、どんくらい必要なのかなー。えーと、ナニナニ・・・・ねえこれへんじゃない・・・読んでみて」
「アンタの方が英語出来るんだから、アタシ困るっ・・・。ってアレ・・・必要なもの。水カップ4」
卵は。砂糖は。生クリームは。
「え。ケーキって水で出来るの」
「さぁ・・・。ま、とにかく出してみようよ」
箱から出てきたのは、赤い袋と白い袋1こづつ。
どっちも粉が入ってる。
「ナニこれ」
「えーーっと。別々のボウルに粉をいれて、水を2カップ入れる。混ぜる」
「はあ。何そのレシピっ。粉ふるえとか、卵入れろとか書いてない。大体カップって、何ccなわけっっ」
「書いてない」
「オンスとかミリリットルで書いてあんじゃないのー・・・どれどれ。・・・って無いね」
まあこんくらいかな・・・と、水道水をジャーー。
ねりねりねりねり。うっわすっごいあまーーいニオイ。砂糖も香料もこれかなり入ってんなー。
「出来た。次は」
「赤い方の粉、180℃のオーブンに入れて20分焼く」
「えっっっ。まだ白身泡立てたり、バターとか、サラダ油とか何も入れてないけどっ」
「だってっっ。そう書いてあんもんっ」
型はこのくらいの大きさとか、指定も何もない。
「ねえ。そこんちのお母さん、どういうので焼いてた」
「どういうのって」
「ケーキの形どんなんだった。こんなドーム型の型、うちにないもん。ブラウニーみたいに、四角いのに流しちゃっていいと思う」
「えっ。えーと、いいんじゃない。でもマムのは確かに半円型だった。…そう、こんなカンジの」
「えっ」
「コレ」
ってボウルかよ。
「って何よ、これこのままオーブンにつっこむのっ」
「だってホントこんな形だったもん・・・」
まあ、ステンレス製だから、平気だけどさ・・・。
で。とにかく仕方ないのでそれを焼いてる間。
「でこっちの白い粉。なんなのこれ」
「水いれんの」
「・・・また焼くの」
「違う、これどーも生クリームみたい」
「えーーっ。ちょっとカンベンしてよー。これ泡立てんの。ハンドミキサー無いんだけどーー」
ところが。
10回くらいかき混ぜると。
ムクムクって。すごい増えて。
あれ発泡剤とか入ってんだろうね。
オーブン開けてみると怖いくらいちゃんと焼けていて。
ひっくり返したら、バターも塗ってないのに、ぽこんって取れてドーム型。
しかもしっとりふわふわ。
少し冷蔵庫で冷ましてからデコレーションって言っても、さっきのもこもこ塗るだけ。
左官にでもなった気分。
「そうだ。これだ。この味だ」
かかった時間、焼く時間+冷ます時間合わせても1時間かかってない。
必要なもの、これ以外に水だけ。
「これどーやったら3時間かけられるんだろうね・・・」
何か科学的な配合を感じさせる・・・怖いくらいとってもおいしい魔法のケーキでした。