みんな、特技ってあるか。
私は・・・これといってナイ。ツライ現実。
「パソコン何とか検定○級」とか「水泳」とか、「英会話」とか、「パン作れます」とかそーいうんじゃないの。あとは、まあ、書道とか茶道とか、楽器とか、お料理とか。そういうのは、『教養』とか・・・そういうものだろうと思う。
「いかなる国のどんな場末の食堂に行っても、残さずなんでも食べれます」とか、そういんでもなくて・・・それは多分、おおらかとか無頓着とかいうモノ。または根性。
芸能・・・そう、芸に近いかもしれない。生きていくに足る、芸。捨て身でやって、達人の域にまで達したって、そゆやつ。
アタシって、ホンット特技がない。
カンフーの達人とか、100メートル○秒とか、柳生新陰流免許皆伝とか、コーラ一気飲みして、山手線の駅名とか徳川歴代将軍の名前をゲップしないで言うとかそういうモノ、熱望。
高校卒業した頃だったか・・・、友人の南無豆さんが、事務バイトの履歴書に「趣味:縄跳び」「特技:どんなつまらない冗談にも笑えること」って書いたって言ってた(彼女は大真剣)。その時私は、「チョット~、特技ってぇのは、例えばパソコン得意とか、接客対応に自信あり、とか、時事に詳しいとかそーいうコトじゃんっ。履歴書はアンケートとか、心理テストとかじゃないのよ」って言った。でもでもでも。今、思うと、南無豆が正しいのじゃないかと思う。だってそれで彼女採用されてたし。人柄や能力より、決定打となるのは、おもろ~なのかしら、ヤッパリ。
で、私・・・考えた。ほんっとに。寝る前とか。布団の中で。
「パン作れます…、違うな。インドカレー作れます…これもなぁ。インド人皆作れるわけだし。独学でちょろっとやつてる太極拳…こんなの達人の域は程遠い。んー、水泳もなぁ・・・。ピアノなんか弾けないし、ロープで引く事は出来ても。アハハ・・・ はぁーぁ・・・。それこそ縄跳なんて、ここ20年くらい跳んでない始末だし。アタシ落研(落語研究会)とかでも無かったし…、いっそ漫研とか入ってれば…上手に漫画かけますとか言えたかも…」
ま、そのうち、飽きて、小学校からファンの再放送の鬼平犯科帳見たりして。
あー、やっぱイイわー・・・中村吉右エ門。アタシ、幸四郎より、吉右エ門派なのよねぇ。
幸四郎って息子共々、顔下半分が青黒くてなんか萎えるのよねぇ。萬屋錦之介もタイプだったわー。・・・枯れた趣味の小学生。
今はスモーキーな目元のオーランドブルームと、金城武司と、マイペースなレオン・ライのファン。
あーー、ウチのお父っつぁん、柴先コウ見て、「これほんとは梶芽衣子なんだべ?」ってうわ言言ってだけど、・・・なんだ、あれ起きてたのか。似てるわ、確かに。
・・・と、密偵(この場合、鬼平好きは「イヌ」と呼称)の中でもベテランの、相模の彦十とっつぁん/江戸屋猫八師匠登場。
・・・あー、死んじゃったんだもんなぁ。イイ味出してたんだよなあ。
猫八師匠といえば、息子の江戸屋子猫と共に江戸の伝統芸能、声帯模写で有名。
「師匠のウグイスなんてなぁ、ぐっさんの比じゃなかったよなぁ・・・趣あってサ」
ん。ふと。アタイ、太、平目板。じゃなくて、ふと、閃いた。
「アタシにも、あるっっっっ。トクギッッッ」
アタイ。これでも、こう見えても。トクイなんですヨーーッ。ヤギの真似。
羊蹄類の鳴きマネにはちょっとウルサイの。アタシ、ヤギ座だし。
「メヘヘェェェェェェ~」。ここ大事。「メエー」じゃないのよ、よく聞くと、メとエの間に、ちいさくヘが入るの、あのひとたち。んで、エじゃなくて、あくまでもェ。
んで、「ェェェェ~」微細なビブラートをかけるの。ブルガリアン・ヴォイスのようにね。
アタシ、小学校の時、特設合唱部だったから、ちょっと自信あるのよ。
ウチの小学校ってちょっとドメスティックで、合唱部は富山民謡「こきりこ節」、金管部は「会津磐梯山」で大会出場してた。
この、ヴルガリア、ちょっと民謡ぽいじゃん。
そしてこれね、結構ストレス解消になるのよ。
「仕事物理的に有り得ない量ッッ、アッタマ来たっ。メヘェェェェ~」
「っとにかったりーなー、まいんちまいんち朝昼晩と作るなんてよぉぉぉ。ケータリング(ただの出前)か、デリでテイクアウト(惣菜屋でおかず買う。しょっぱいんだよな)してぇぇ。メヘェェェ~」
「っなんでわっかんねーかなぁーーッ。洗濯物っちゃ分けて洗うんだよっっ。それでこれは便座カバーなんだよぉぉ。メヘェェェ~」
こうして。今日もアタイ、メェメェしております。
そのうち、世間の「萌え~」のようにブームに乗るかしら。
だってサ、よく「○○だニャン」とか言うじゃん、萌えっ娘は。
だから、もしかしたら、オイラのメェメェもいつか出世してさ、街中の娘達が「ご主人様、お帰りなさいませだメヘヘヘヘェ~」「今日は超疲れたメヘェェェェ~」「腹減った~メヘェェェェ~」とか、使ってくれるかもだメェ。