狐狩りと言ったら俺の親父。一昨年亡くなった父親は狐と相性が悪いんです。
というのは・・・。
昔、親父が元気に自営業をしていたときの話。その仕事というのは俗に言う旅行会社のようなもの。仕組みは俺も小さなころだったのでよく判らんけども。
ある日の提携している旅館での出来事。ここで働いている女性がいわゆる、
「狐憑き」
だったんです。というのも、狐が表に出ると、歩き方がなんかこうピョンピョンと跳ねる感じで、生のキャベツや白菜をそのままバリバリ食べたり、売り物のお菓子の袋を勝手に開け、鷲掴みでバリバリ食べたりと・・・
ワイルドかっ!!
いや、そんな話じゃなくて。
狐と相性の悪い父親は、その狐憑きの女性と事ある毎に口論しているわけだ。実際の生前の父は、俺の知ってる27年間で本気で怒ったところを見たことないくらい、それくらい温厚で、冷静な人だったんです。
その父が口論してるなんて想像もつかないんだな。
ある日、旅館の休憩室でソファーに座りながら新聞を読んでいると、その狐憑きの女性がおもむろに近付いてきて、テーブルの上にある雑誌をクルクルと棒状にし始めたのです。
父は目の端で確認をしてはいたけども、とりあえず放って置いたらしい。
すると、
「うわあ゛あ゛ぁ~!!」
女性がナイフを突き立てるように父に襲いかかってきたのです。
父は雑誌を持っていた手を振り払い、逆にその雑誌で思い切り殴ったそうです。
すると、女性は腰が砕けたようにヘナヘナと床へ倒れ込みました。その顔は人間の顔とは思えないような不気味な笑みを浮かべ、
「死ねば良かったのに。」
と言ったそうです。
あ、犬関係無くなったわ。
![はがっちの竹藪生活-100508_1758~01.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20100510/23/kzy0713/ab/c1/j/t02200391_0480085410536000587.jpg?caw=800)