「貴婦人の訪問」の後、しばらく観劇する予定が無いなと思っていたのですが、ちょっと事情があってミュージカルではなくてストプレを観てきました。
近松門左衛門 原作「女殺油地獄」「曽根崎心中」より
「GS近松商店」
新歌舞伎座
近松門左衛門の名作をモチーフに、閉塞感ただよう田舎町を舞台に描く愛憎劇。
【作・演出】
鄭義信
【出演】
観月ありさ
渡部豪太
小島聖
姜暢雄
朴路美
みのすけ
星田英利
山崎銀之丞
升毅
石田えり 他
【敬称略】
だいたいのあらすじはこちらのサイトを見るとよく分かります
http://www.cinra.net/news/20150429-gschikamatsu
まずよく観るミュージカルと違って、テレビで見かける方々が多かったです。
でも逆に、今まで舞台で生で観た事があるのは、黒木メイサさん主演でかなめさん(涼風真世さん)も出演していた「あずみ」に出ていらしゃった山崎銀之丞さんだけでした。
そして劇場入り口前のロビーに沢山のスタンド花
やはり主演の観月ありささんへのお花が多くて、各テレビ局や「ナースのお仕事」で共演された松下由樹さんからのものもありました。
他の方々へのお花も合わせると、今まで観てきた舞台では一番多いくらい。
やはりテレビの力は大きいなと改めて思いました。
主演の観月ありささん。
関西の田舎町にある寂れたGS(ガソリンスタンド)「近松商店」を切り盛りりている菊子。
夫の太一(姜暢雄さん)は浮気をしていて夫婦仲は冷めています。
スタイル抜群だけど、それが全くいかせない地味な衣装で、足が悪いという設定もちゃんと演じられていたし、最後は油まみれの演技は迫力がありました。
それ以上に印象に残ったのは、菊子に思いを寄せる光(渡部豪太さん)。
どもりがあって人付き合いの苦手な青年を見事に演じてるなと思いました。
ただ観劇する前は、この2人の恋愛模様中心で、他のキャストはそれに付随したエピソードを作っているのかなと思っていたけど、そうではありませんでした。
菊子の兄で中村酒店に養子に行った幸一(升毅さん)と、その恋人の中国人ホステス玲玉(朴璐美さん)との悲恋。
そして菊子の姉の百合子(小島聖さん)と元恋人の奥寺(みのすけさん)のやりとり。
色恋沙汰だけでもこの3組があったので、ちょっと焦点がボケてしまったように感じました。
更に、恋愛だけではストーリーが暗くなるからなのか、随所に喜劇的な要素も入っていました。
菊子たち兄妹の父親の後妻(つまり義母)美也子と、光の母親・栄子の2役を演じている石田えりさんの早変わりシーンも笑いを取っていました。
ただ、この場面は早変わりが2、3回ではなくて、5回、6回と繰り返したので、ちょっとくどいなと思いました。
えりさんの奮闘ぶりは凄かったですけどね。
喜劇といえば青年団のトップで、幸一の親友の天王寺(星田英利さん=ほっしゃん 名前を本名に戻したという事を知りませんでした)がいたからなのか、ちょっとよしもとっぽい感じを受けたシーンもありました。
終演後のエレベーター(新歌舞伎座は上本町YUHURAの6Fにあります)の中で、他のお客さんが「途中はとっ散らかっていたけど、最後は綺麗にまとまって良かった」と言っているのが聞えたけど、私もそう思いました。
いろいろ個性的なキャストさんがいて、それぞれを活かす為にいろいろな話を盛り込み過ぎたような・・・
まあ普段観ない役者さんたちを観ることができたのが一番の収穫でした。
でもなんだかんだ書きましたが、結構楽しめました。
ただやはり次はミュージカルを観たいです。
観ていて、時々、ミュージカルならここで歌い出すな・・・と思いましたから(^_^;)