「新セブンシスターズ」新興国が主導する石油開発 | 六本木から世界へ ~石田和靖の世界を見る目~

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サウジアラムコという企業をご存知でしょうか?

サウジアラムコは、「新セブンシスターズ」と呼ばれる、新興国のオイルメジャー(国際石油資本)7社の一角。エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロンなど欧米のオイルメジャーがこれまで台頭してきましたが、それらのメジャーを凌ぐ勢いが、いわゆる「新セブンシスターズ」

欧米以外の新興諸国の国営石油企業、以下7社を総称して「新セブンシスターズ」と呼ばれています。

1)サウジアラムコ(サウジアラビア)
2)ペトロナス(マレーシア)
3)ペトロブラス(ブラジル)
4)ガスプロム(ロシア)
5)中国石油天然気集団公司(中国)
6)イラン国営石油(イラン)
7)ベネズエラ国営石油(ベネズエラ)


この7社の原油生産シェアが合わせて世界の30%、そして保有する油田の埋蔵量でも30%と、存在感を増してきています。そんな「新セブンシスターズ」の一角である、サウジアラビアの「サウジアラムコ」が、東日本大震災の被災地へ、義援金2000万ドル(約16億2000万円)の提供を申し入れています。

「サウジアラムコ」は世界最大の規模を誇る石油会社であり、世界で最も多くの石油(日産1000万バレル)を供給しています。その石油供給量の大半は輸出用に充てられており、サウジ国内の消費に回されているのは全体の12%とのことです。

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのハリドファリハCEOは、23日首相官邸で仙谷由人官房副長官と面会し、義援金2000万ドルとあわせ、原油や液化天然ガス(LNG)などの現物支援をする用意するとも伝えました。(出所:共同通信3/23)


もともと、石油開発は技術力優位の欧米主導で行われてきましたが、1970年代に入ると、「反米欧資本」の風潮が産油国に広まっていきます。欧米メジャー支配からの脱却を狙っていた新興国の産油国は、次々と石油開発への経営参加や国有化を推進してきました。

1972年には北アフリカの産油国アルジェリアの油田がフランス資本から国有化されました。いま内戦で大きな問題が起こっている、北アフリカの産油国リビアも、BP(ex英国石油)が所有していた国内の大型油田を国有化しました。そして1976年サウジアラビアでの原油採掘を独占してきたサウジアラムコの大株主だった、エクソン、モービル、テキサコ、シェブロン、以上欧米メジャー4社はサウジアラビア政府に株式を譲渡しました。

このような流れで、欧米メジャーによる石油支配から徐々に、新興国によるオイルメジャーへの石油支配に変化を遂げてきたわけです。

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昨年、新セブンシスターズの一角「サウジアラムコ」へ行きました。サウジアラムコの本社は、サウジアラビア東部州の「ダーラン」にあり、ダーランは同国における石油産業の中枢を担う都市であります。「ダーラン」は、数多くの外国人労働者を抱える都市で、バングラデシュ・インド・インドネシア・パキスタンなどのアジア諸国から多くの労働者がこの都市にやってきています。


◆ワールドインベスターズTVではサウジアラビア・石油に関するコンテンツも配信◆

【サウジアラビア経済視察ツアー~リヤド編~】
「眠れる巨人」と呼ばれるサウジアラビアに経済視察をしてきました。中東の大国、サウジアラビア、一体、どんな国なのでしょうか?普段は、観光客、女性は入国が非常に厳しいのですが、我々WITV視察団は、サウジアラビアの実力を生で見てきました!リヤド編、ご堪能ください。

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【スーダン(SUDAN)The Heart of Africa ~スーダンの石油開発】
スーダンの中で最もポテンシャルが高いといわれる石油。1999年から実はスーダンは石油輸出国となり、年々その輸出量は増加。採掘された石油 の8割を輸出に回し、その多くは中国に輸出されてます。日本も原油輸入の1.9%をスーダンに依存している状況です。

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