「鬼八(きはち)シリーズ~その9 牛神の国譲り」 | 熊本阿蘇~火の国探訪記

熊本阿蘇~火の国探訪記

「熊本」は、火の国でもあり、また霊(ひ)の国とも言われています。

熊本や阿蘇の歴史や伝承をひもときつつ、この土地の持つ魅力に迫っていきたいと思います。

「由来」は次のように続きます。

「宮居より西に当り、一つの真萱の池あり。此の前に住み
給う神、面、牛のごときゆえに牛神と申したてまつる。尊の現れ給う時、出でて応対ありし神なり。」

国龍命の住む吉野の池の西に、真萱の池があった。ここに「牛神」が住んでいた。国龍命が人体となって現れた時に、同様にして現れ、応対した神である。
・・・「由緒」では伝えない牛神がここに登場します。

「その時、尊に先づ粟を備え給うゆえに、牛頭に粟を備えこれを祭る。その時、牛に乗り、五穀の種を持ち来たり、蒔きて耕作したまうえに、これを作る神祭り奉るなり。」

牛神は、龍神と同じくらい古くからこの地に住んでいた土着の神であった。牛神は龍神に対し、粟をはじめ五穀の種など食料を提供した。その上、蒔きて耕作する方法まで伝授した。

この様子は、「牛神の国譲り」を示すものではないでしょうか?それにしても、食糧とその耕作技術まで提供するという、こんなに献身的な国譲りが、かくも平和に行われるものでしょうか?

いずれにせよ、この地には古くから「龍をトーテムとする部族」と「牛をトーテムとする部族」、このふたつの部族が存在していたことが想像できます。そして、どうやら神武天皇の誕生、もしくは東征の折に、牛の一族は、龍の一族の軍門に下り、国譲りをしたのではないでしょうか?

つづく



写真は、丸亀市にあるミノタウロス。丸亀市が姉妹都市であるスペインのサンセバステイアンから贈られたものだそうです。むっちゃリアルで迫力ありますね~。