小説にしてもドラマ・映画にしても、得てして《厄災のような最悪の人物》が登場すると盛り上がりませんか?
それは、冷酷な殺人鬼であったり、反社の犯罪組織であったり、家庭を壊そうとする異性であったり、毒親であったり・・・
誰でも現実の人間関係でイライラすること、モヤモヤする相手の一人や二人はいるかと思いますが、小説を読んで「あれほどではない・・・」と溜飲が下がったりすることありませんか?
また《厄災のような最悪の人物》は、得てして複雑な生い立ち、人生観を変えるような経験をした成人のことが多くありませんか?
そんな中、十歳の子どもを《厄災のような最悪の人物》に仕立てたのがO・ヘンリーの「赤い酋長の身代金」でした。
実は子どもが大の苦手な私としては、もはやちょっとしたホラーです。
二人の男が身代金を目当てに十歳の子どもを誘拐するも、さんざん酷い目に合い、反対にお金を出してでも親元に押し返したくなったのですが、その子は何をしたの?
子どものピュアな悪党ぶりに「あれほどではない・・・」と溜飲を下げて、身近な子どもたちに優しくぎこちない笑顔を振りまいています。