張り線 | 艦船模型製作記

張り線

いよいよ張り線です。


綺麗に張ると精密感が数段上がります。




検索ワードでも『張り線』でこのブログにたどり着く方が多いので、ここで自分流ですが、やりかたを紹介してみようと思います。




(材料)


1.鮎つり用金属糸0.05号

2.ナイロンテグス0.1号

3.ナイロンテグス0.4号

4.ゼリー状瞬間接着剤

5.瞬間接着剤

6.瞬間接着剤硬化促進剤

7.2液性エポキシ接着剤(5分硬化)

8.マジック

9.エナメル塗料


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(工具)


1.ピンセット(合わせ目をよく研いでおきます)

2.USBケーブルをバラしたもの(シールドの銅線)

3.アートアイフ

4.ハサミ(女性の眉毛切りでも可)

5.ライター

6.塗料攪拌用金属棒

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どこからどこに線を張れば良いのかは図面や他の作例を見て考えます。

深雪会の図面が入手しやすいです。

学研本やネット上の作例なんかも参考にします。


艦橋やマストのヤードは後から張るのは困難なので船体取付前に張ります。



どこからどこに張るかを決めたら下ごしらえです。


鮎つり用の糸以外は透明なのでマジックで染色します。

いろいろ試しましたが、一番簡単で確実です。

片側をどこかに固定してさっとなぞるだけです。


次は、接着面の素地こしらえです。

金属の塗装面は瞬間接着剤で塗料が溶けて固まらず、固定しにくいので塗装を剥ぎます。

筆でシンナーを塗りつけて紙ヤスリで剥し金属面を出します。

プラ部品の場合はこの作業は行いません。


いよいよ線を張っていきます。

基本は内から外、高いところから低いところです。
瞬間接着剤はゼリー状と一般を混ぜて使ってます。
ケーブルをバラしたものに瞬間接着剤を少量取って付ける位置に置きます。

そこに線を乗せて硬化剤を軽く一吹き。

数秒待つとついています。

反対側も同様につけます。


うまく張れたらサラサラの瞬間接着剤をケーブルに少量とってつけ、補強します。

はみ出た余長はハサミで切ります。


ピンと張りたいのに弛んでしまった場合は、熱した金属を近付けて修正します。



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入り組んだところは息を吹きかけると目的の糸のみ狙えます。

ハンダゴテでも良いんですが、熱過ぎるようで距離の加減が難しいので最近はやりません。

金属線では熱収縮しないのでこの技法は使えません。




最後に写真の矢印の部分「ガイシ」を再現します。



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エポキシ接着剤にエナメル塗料を少量混ぜます。

ケーブルに少量とって張り線にこすり付けるように付けます。

自然に丸くなって固まります。



最後にテグスの使い分けですが、0.05号、0.1号、0.4号と用意しています。

これは用途によって使い分けています。

0.05号は艦橋のヤードやマストのヤードから下ろす線。

0.4号は長手方向に長い距離を引く線。

0.1号はその他です。


1/350ではこのように使分けていますが、1/700では0.1号と0.05号のみ使っています。


ということで、現在の金剛も張り線が完了し、なんとか年内完成にこぎつけました。



次回完成写真をアップします。