父は経営者だったにもかかわらず、蓋をあければ財産は底をついていた。

税金対策のために祖母から譲り受けた土地にアパートを建てた。

仕事を退職したあとも今までと変わらない生活を送っていた為、

生活費や家の維持費がかかるという理由でそのアパートも手放した。

 

結婚当初住んでいた場所は一等地。

そこは5年住んで売却、今の場所へ引っ越してきた。

祖母から貰った土地は今住んでる自宅以外すべて売却。

自宅の車庫の土地も売却したので貸料を毎月払うという何とも残念な結果。

 

母はそんな父に何も言わず、自分の母から貰った土地の管理を全て父に託していた。

経営者だった父を信じていたんだろう。

 

見栄っ張りだった父は自宅にお金をかけていた。

それも自分はお金がないので母の貯金から。

ひいきにしている建築会社からするとよいお得意さんだったと思う。

 

ある日、玄関の外階段のタイルが割れたから全部張り替えると言い出した。

他に見積もりを取らずにいつもの建築会社へ依頼。

ついでに私の自宅の外階段に母が利用する手すりを付けることになった。

(この頃母は頻繁に我が家に出入りしていた)

その見積り金額をみて驚いた。

相場よりかなり高かったのだ。

 

父に「相見積りをとった方がいいのでは?」と話すと急に逆切れされた。

「もうその金額で決めたから口を出すな」と。

母から高い見積り金額でお金をもらって、業者には相場で払っているからだとピンときた。

自分のお金がないからいろいろ工面しているのがわかった。

 

ますます父への不信感が大きくなった。

 

 

つづく