ゴミ屋敷の男(2) | エニグマ/奇妙な話

エニグマ/奇妙な話

幽霊話ではない不可解な怪奇現象、怪談奇談の数々。
これらは全て実際に起こった出来事です。

この世界は、あなたが思っているようなモノではないのです。

(続き)

ここからがやっと本題になるんだが、実は自分には県警に高校時代の

友人がいる。

二人とももういい年のおっさんなんで、そいつもそこそこの役職にいる。
 
で、久しぶりに集まって飲んだときに、ふとそのゴミ屋敷の話が出たん

だよ。


これはその県警の友人に聞いた話。


市職員がそのゴミ屋敷に入った際、中は例に漏れず生活ゴミや汚物も

いっぱいだったが、機械とか器具で埋め尽くされていた、 動いてるのも

あれば壊れたまま放り出されたものもあった、 中には戦時中のかあ

つ機?みたいなのまであった(メーカーに問い合わせたら戦時中に

生産されていたもので、当然もう使われていないとのこと。加圧機?)

これは少々信じがたいので友人に何回も確認したけど、たしかに戦時

もしくはそれ以前に作られてたものらしい。

あと壊れてたけど、かなり初期のPC(80年代初期あたり)もあった。 


これで終わればただの奇人変人ですんだのだが、問題はそこに住ん

でたのが、


おっさん一人じゃなかったってこと。


なんと恐らく計6人、他2名がその家に住んでたそうな。

他2名はなんとなく分かるかと思うが、死体だった…。


死後10年以上たって白骨ミイラ化したのが2体、2階部屋の隅に

寝かせられてたそうで、これで通報された。

おっさんを除く後の5名は親族なのか、息子なのか、みんな男性。
 
でも全員、会話が成り立たない白痴っていうの?

精神薄弱者だった。


うち何人か、おっさんと見た目がよく似てるので、例の苦情おばち

ゃんも全く気づいてなかったみたいだな。

当のおっさんはというと、通報するしないで押し問答のうちに姿を

くらましてしまった。

これはさっきまで話してたおっさんだと思ってたら、いつのまにか

別の男にすり替わってたからだそうで、その場の誰も気づかなか

ったらしい。

恐らく6人というのは、それが確認できないため。

おっさんはどこにいったのか、そのまま行方が分からなくなってる。


当時警察では、機械の設置具合からおっさんには専門的知識が

あった、あとの5人には到底できないものだと見てたらしいけど、その

おっさんがこの家で何をやっていたのか、どういう身の上でどこから

きてどこへいってしまったのか、全く見当もつかず・・・。

結局ゴミ屋敷で死体遺棄、例の5人は施設に保護という形で終わら

せたそうだ。

彼らがどうなったかまでは知らない。


ほんとは、捜査情報とかうるさいんだろうけど、もう10年以上前の話

だから、まあ許してもらえるかな。

ちなみに老朽化してぼろぼろだけど、その鉄塔はまだ近所に立ってる。
 
低周波はもう聞こえてない。