サラウンド・バックとフロント・ハイトの今後 | 「高音質的ホームシアター」

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なるべくお金をかけず、手軽に高音質を楽しめる方法を日々模索しています。

現行のデノン&オンキョー製のAVアンプにはフロント・ハイトとフロント・ワイドという
サラウンド・モードがあります。

フロント・ハイトに関して言えば、ドルビー社が提唱するドルビー・プロロジックⅡz
(PLⅡz)という新たなデコード規格との事ですが、従来からあるサラウンド・バック
方式ではスピーカーの設置が困難な場合がある為、それをフロント・ハイトに設置
したサラウンド・スピーカーで代用しましょうと言う考えらしいです。
同時にフロント上方に音源が出来るので、サラウンドの高さ方向の演出も可能
なんだとか・・・。

現状、私のシステムではサラウンド・バックを使って7.1chを成立させていますが、
サラウンド・バック・スピーカーの有無で音は全然違ってきます。
(勿論、設置環境が整っているのが前提となりますので、視聴ポイントの後ろが
即壁だったり、床からサラウンド・バック・スピーカーまでの距離が2m近く取れない
と効果は薄いです)

サラウンド・バックを追加する事で音が廻るようになるとか、サラウンドの繋がりが
良くなるというのも当然ありますが、それ以上にフロント・スピーカーやセンター・
スピーカーへの影響の方が大きいような気がします。
通常のソフトはドルビー5.1ch録音ですので、サラウンド・バックから出る音はAV
アンプ側で合成された音になるのですが、それでもサラウンド・バックをONにすると
途端に音に奥行きが出るようになり、高さ方向にフワッと空間が広がるようになります。
サラウンド・バックの効果については意外に的を得た説明が無いのですが、個人的
にはリアよりも、むしろフロントの空間をよりリアルに演出する為の技術なのではない
のか?と思っています。

実際、THXオプティマイザー(THXの映像調整ツール)にてサラウンドバックのテスト
信号を流すと、音がリアではなく、前方スクリーンの上方から聴こえてくるのです。
と言うことは、リアのスピーカーでフロントの高さ方向の空間を演出する事も出来る
という事にもなるんじゃないかと思いますが、基本はあくまでサラウンド・バックであり、
PLⅡzではフロント・ハイにスピーカーを設置させる事で、サラウンド・バックと同じ
効果を狙ったという考え方も出来そうです。

サラウンドの効果に関してはフロントに音源がある分、PLⅡzの方がより効果は高い
のかもしれませんが、本来、リアから聴こえてくるべき音もフロントから出してしまう事
になるので、音楽ソースとかでは反って違和感が出るのかな?とも思ってしまいました。
逆に、サラウンド・バックを使った従来のPLⅡだと、ソースを問わずオールマイティ
に使えるので、後方に距離が取れるなら、サラウンドバックなのかな?と勝手に棲み
分けを考えてしまいました。

現状、デノンのアンプに関してはフロント・ハイトとサラウンド・バックは排他利用と
なってしまうようで、フロント・ハイトとサラウンド・バックの併用が可能なのはオンキョー
の一部の機種のみのようですが、秋に発売される3D対応の新製品では各社、その
辺をもう少し充実させてくるのではないかと思います。

サラウンド・バックにフロント・ハイを追加する形で使用できたら、特に映画での空間
表現は相当よい感じになるでしょうね。