私は文芸春秋の芥川賞受賞作品特集で読みましたが、
表面上は少し奇妙だけれどもさらっとしている話なのに、
裏側はとても厚く深く・・・という感じでした。
異類婚姻譚/講談社

¥1,404
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文字の背景にある登場人物の胸の内を想像しながら読むと、
とても面白いです。
ちなみに、本書の私なりの解釈は、
他の方がアマゾン等で書かれているものとはだいぶ違います。
-------(以下ネタばれ)--------
結婚する前は“個”がある。“外見”もその一部である。
“個”で生きている時は、他人の目を気にした言動をとる。
そして自分ひとりの時間になって、初めて素の自分に戻る。
常に自身を律することはできない。
結婚によって個の時間が失われれば、家庭での時間が“素の自分”の時間である。
律しようとしても上手くいかないことは、夫の離婚歴からもわかる。
離婚から教訓を得た夫は、サンちゃんと結婚する時に
「1日3時間はテレビを見ないとだめな人なんだ」と告白し、その通りの生活を送る。
素の自分は、いつもの“個”ではない。
日々“個”から遊離された分子が増えていき、2人分のそれが混ざり合う。
しかし物理的には混ざり合うことはできないので、
“顔のゆがみ”となってあらわれるにとどまる。