未体験ゾーンの映画たち２０１６の

企画上映にて

パラドクス
THE INCIDENT

　を観て来ました。

映画館で本作の予告編を見て

これは、観ねばなるまいと確実に思った作品。

日本版のチラシは、ホラー映画みたいのですが、

これは、近年稀に見る

タイムループ系ＳＦスリラーの秀作です。

とある罪で連行されようとしている兄弟と刑事が

降りても登っても元の階に戻る非常階段に迷い込み・・・

親戚の家に車で向かっていた母と義父と子供の兄妹は、

前進しても逆走しても元の場所に戻る道路に迷い込み・・・

この一見関連性のない二つの出来事は、

実は、驚愕の線で繋がっていた・・・

永遠に廻り続ける終わりのない不条理な時空で

絶望に突き落とされた人間は、

それぞれの性格により

全く違う進化と退化を遂げる卓越したエピソードで示されます。

壮大な大風呂敷を広げた映画の通例では、

トンデモなオチで苦笑いと云うパターンが多い中

本作は、哲学的な経過を得ながら

異質でエモーショナルな着地点に到達します。

後半は、驚愕のヴィジュアルの連打でとにかく圧倒され続けました。

映画としてのツクリモノの面白さを堪能できる一編。

メキシコ映画もなかなか侮れません。

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