フランス製の
音楽映画であり家族映画でもある
エール!
THE BELIER FAMILY
La Famille Bélier
を観て来ました。
父、母、娘、息子の4人家族の
娘だけが健常者であとの3人は聾唖者と云う設定ながら
この家族が兎に角やたらと明るいのです。
冒頭、ある外用系病・・・で母親と父親が通院しているらしい病院で
医師との会話補助の役目で娘が同行しているのですが、
そこでの会話内容がもうブッ飛んでいてマイリマシタ。
そのシーンでこの家族の人となりを観客に一気に焼き付ける見事な導入部です。
娘には歌の才能があり
それを見抜いたコーラス部の顧問教師に
パリの名門音楽学校のオーディションを受けるように勧められますが、
家族の元を離れられないと云う思いと交錯して気持ちが揺れ動きます。
障害者を家族に持つ人間の逃れらない運命をしっかり隅に据えながらも
才能を伴う夢をも本当に諦めなくてはならないのかと云う問題を
キッチリ筋道を立てて家族全員で解決に導かせる脚本が巧みです。
何よりヒロインのポーラを演じる ルアンヌ・エメラ が素晴らしいです。
昨年、歌手としてデビューした後の映画初主演への抜擢だそうで
自ら歌唱を披露しているのみならず手話をもしっかり取得しての説得力ある好演です。
途中途中の歌声もさる事ながら
クライマックスのオーディション場面の仕掛けは
その素晴らしい歌唱と共に観る者に与える感銘は計り知れません。
家族愛を確実に描きながら
音楽映画のあるべき姿もきちんと兼ね備えた名編です。