「パッセンジャーズ」
「愛する人」など
特異な境遇に身を置く女性が主人公の作品が多い
ロドリゴ・ガルシア監督が
グレン・クローズ主演で
性別を偽りホテルで男装のウエイターとして働き
運命に翻弄される女性の姿を描くアイルランド映画
アルバート氏の人生
ALBERT NOBBS
を観て来ました。
19世紀のアイルランドが舞台。
ダブリンにあるホテルのウエイター、アルバート(グレン・クローズ)は、
底知れぬ不況の中を生きるために女性であることを隠し
老舗のホテルで男装のウエーターとして世間とは一線を置きながら暮らしていました。
アルバートは、何時しか同僚のメイドのヘレン(ミア・ワシコウスカ)に恋心を抱き
彼女と結婚し独立してタバコ店を開く夢を叶えようとします。
しかしヘレンは、ボイラー職人としてホテルに雇われた
青年ジョー(アーロン・ジョンソン)と恋仲になってしまい...
とにかく共同で脚本も書いている
グレン・クローズの入魂の演技があまりに凄まじく
観ているこっちが物怖じしてしまいそうでした。
あるシークエンスで女性もののドレスを着る場面がるのですが
その時の彼女は、女装した男性にしか見えなかったです。
ただ平穏に真面目に生きようとしているだけなのに
時代がそれを許さないもどかしさと切なさを
グレン・クローズが見事に体現しています。
全体的には、悲喜劇の装いですが、
ロドリゴ・ガルシア監督の妥協のない演出は、
ある意味、息苦しささえ覚えるほどで
正直自分には、あまり居心地の良い作品ではなかったです。
しかし、見応えのある芸術作品には違いありませんけれど...