“Sell In Mey.”もどこ吹く風、相変わらずのアベクロ相場が全開継続中ですね。
基本的にこの半年は、日本株である限りどこの市場、業種であれ何でもかんでも激しく上昇したわけで、去年11月以降の上昇相場で資産倍増どころか数倍増にされた方も多いのではないかと思うのですが、その中でもこれまでの相場で最も熱いテーマ株はiPS関連を中心としたバイオベンチャーですよね。
最初から、「得体のしれない新興市場のバイオ株なんて投資の対象にしない!」と決めて全く触らなかった方もおられると思うし、仮に積極的な運用の方の中でも「どうせなら内容が伴ったガンホー(3765)で勝負っ。バイオなんて赤字垂れ流しで実体なさすぎっ!」って考える人も多かったと思うのですが、結果的にはこれらに積極投資したか否かでパフォーマンスに驚くほどの差が出たということには誰も異論はないと思います。
まあ、「利益を伸ばすことだけが投資の全てではない」という考え方を否定はしませんが、普通は儲けるために投資をしているわけで、パフォーマンスが上がれば嬉しいのは当然だと思うし、もっと言えば損は誰もしたくないはずです。
そういった意味で、今日の後場のバイオ銘柄の急失速は、割と多くの人が冷や汗をかいたのではないかと思っています(少なくとも、きゅーたは焦りました)。
結局のところは、最近のバイオの中でのリード銘柄であるタカラバイオ(4974)は再度ストップ高に張り付いて引けたし、その他の多くのバイオ株も底値からは大幅に切り返して終了したわけで、今までもこういうことは何度もあったし、今回も単なる調整の一環でこれからもまだまだ上がるのかもしれませんが・・・・、やっぱりこの水準までくるとババ抜きの最終局面が近いような気がしてしょうがないのも事実ですね。
タカラバイオは今日のストップ高で時価総額が4543億円になったのですが、そのタカラバイオ株を70%以上保有している親会社の宝HD(2531)の時価総額は2864億円・・・・・、理屈で考えると、非常におかしな話です。
ちなみに今日はタカラバイオ同様に宝HDもストップ高ですが、ストップ値幅の問題でタカラバイオの値上がりは21.21%に対してタカラHDは29.52%と1.5倍近くにも達したため、この親子大幅逆転のゆがみは少し是正されたのですが、昨日の引け値で考えるとタカラバイオの時価総額3748億円に対して宝HDはわずか2211億円でした。
まあ、親子の時価総額の逆転自身はNTTとNTTドコモといった例もありそれほどの問題ではないという考え方もありますが、タカラ親子のような状況では、過去のラジオのニッポン放送とテレビのフジテレビの時のような問題(時価総額の小さい親会社のニッポン放送株をライブドアの子会社が買いつけて、ライブドアが実質的にニッポン放送の筆頭株主になったことにより、間接的に子会社のフジテレビをライブドアが支配しようとした敵対的買収劇。子会社のフジテレビよりも、親会社で筆頭株主であったニッポン放送の方がはるかに時価総額が小さいという矛盾があったため起きたと言われてます。)が生じてもおかしくないとも言える異常な状況が起きている、言い換えればタカラバイオの上昇が行き過ぎているといった気もします。
また、将来の夢がいっぱいで直近までのバイオのリード銘柄であったユーグレナ(2931)をはじめ、その他数銘柄のバイオベンチャーは、PBRがすでに100倍を超える(PERじゃないですよ。PBRですよ)状況となっており、普通に考えると『いったいここから何年、何十年先の純資産まで先読みしてる株価やねんっ!』って、大声で突っ込みたくなるような水準になっています。
といっても、株価の最大の決定要因は需給であるわけで、売りたい人よりも買いたい人が多ければ値上がりします。
これは土地でもゴールドでも、もっと言えば魚でも野菜でも同じですよね。
ただ・・・バリュエーションを逸脱して需給に依存した株価形成は、いずれ適正値に収れんするのが必然であるように思うわけで、過去の相場においても、将来のインターネットという夢で天まで上ったITバブルも、ゲノム解析によりすべての難病から人類が解放されると沸き立ったバイオバブルも、夢から覚めたあとは想像以上に過酷な現実が待ち構えていたと記憶しています。
そう、テンプルトン卿が言ったように“上昇相場は悲観の中で生まれ・・・・・・・幸福のなかで消えていく”っていうほど美しくはありませんでした。
といっても、アベクロ相場はまだこんなものではないと考えられるし、きゅーた的には来年の年明けには日経平均は2万円を突破しているように思っているほど超強気なのですが、バイオ銘柄に関しては、いくら国策であり今後iPS細胞を使った創薬が進むといえどもやっぱりすでにバブルの域に達しており、崩壊後の調整は凄まじいような気がします(iPSの大々本命であるリプロセルの上場でもあれば再度盛り上がると思いますが・・・・)。
まあ、物語のクライマックスは終盤に訪れるものであるし、株価も崩落の直前が最も大きな値幅を記録するものなので、ここからは最大のスリルを味わいながら最終最後の利益を求めて突入を繰り返すか、キッパリとバイオ株から手を引くかは、非常に悩ましいところですね・・・・・
・・・・ん?すみません。久しぶりの更新は、すっごくかたいお話になりましたね。
更新もしていないのに訪問いただいて、しかも最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。
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