むかしむかし あるところに

おじいさんとおばあさんがいました

ふたりはこだからにはめぐまれなかったが

しあわせにくらしていました

おじいさんはやまでしばかり

おばあさんははたけしごと

まいにちせっせとはたらいていました

 

あるひ おじいさんがいえへかえると

おじいさんはびっくり!

おばあさんのおなかがぷっくりと

おおきくなっているではありませんか

「おばあさん、どうしたんじゃ!?」

おじいさんがきくと

『かみさまからのさずかりものじゃ

 このとしになってはずかしいのぉ』

おばあさんはてれながらいった

「ほんとうか、ばあさん!!」

よろこんだおじいさんは

おばあさんにだきついた

すると、おばあさんのおなかから

おおきなカボチャがごろんとでてきた

「ひゃぁぁぁぁぁ!!」

おどろくおじいさんをみて

おばあさんはおおわらい

『ははは!

 ひっかかったひっかかった』

いたずらにひっかかったおじいさん

 

そのよる、おじいさんは

おかえしをしてやろうとかんがえた

こっそりとおおきなカボチャをくりぬく

そしてめやくちのきりこみをいれ

それをかぶり、おどろかそうとした

しかし、しばかりでつかれていたおじいさんは

いつのまにかねむってしまった

 

しばらくしておじいさんは

なにかにつっつかれてめをさました

「なんじゃぁぁぁ!?」

おじいさんのめのまえには

ちいさなこどもがたっていた

「おばあさん、おばあさん

 おきとくれ!」

おじいさんはおばあさんをおこした

『なんですか、こんなじかんに?』

「あ、あれ…」

おじいさんのゆびさすほうをみると

ちいさなこどもがわらってた

『ん?こんなじかんにどこのこじゃ?』

「わからん

 ひょっとしたらこだからにめぐまれんかった

 わしらにかみさまからのおくりものじゃ…?」

『かみさまから…?

 そうじゃ!きっとそうじゃ!』

ふたりはおおいによろこんだ

 

おばあさんはこどもをだきしめた

おじいさんはこどもをよろこばせようと

いぬやさるのまねをした

こどもはよろこんだ

おじいさんとおばあさんは

もっともっとよろこばせようと

いろいろなかっこうをした

おさむらいさん おぼうさん おとのさま

ふたりはせいいっぱいたのしませた

こどもはこころのそこからたのしんだ

おじいさんとおばあさんは 

なみだをながしてだきあった 

 

いつのまにかねむってしまったふたり

 

めをさましたおじいさんのまえには

こどものすがたはなかった

そこにはおおきなカボチャがあるだけだった

わらいがおがきざまれたおおきなカボチャが…

「なんだ、ゆめか…」

おじいさんはつぶやいた

 

『ゆうべ、いいゆめをみましたよ』

めをさましたおばあさんが

おじいさんにえがおでいった

 

「わしもじゃよ」

ふたりはほほえんだ

 

10月31日のコト。