島は刑務所にいる。

もう5年になる。

島は刑務所にいる。

人を殺めてしまった罪で…。

 

5年前。

彼女の千恵子と些細な事で口論になった島。

仲を違えたまま、其々の家路へ。

しかし、千恵子は自分が悪い、と

謝る為に島の家に。

しかし、其処には島の姿は無かった。

島は、その頃、

口論のイライラを沈める為に街へ出、

酒に酔っていた。

そして、酩酊状態で店を出ると、

チンピラに絡まれ、争う内に

そのチンピラを殺めてしまったのだ…。

 

出所の日。

島は千恵子の家に向かった。

  

爐發靴泙逝圓辰討い討れているなら

 恋のしるしをぶら下げておいてくれ

 それが目印だ

 

そんな手紙を千恵子に出していたのだ。

島の足取りは重たかった。

 

ゆっくりと近付いてくる千恵子の家。

島の足が歩を止めた。

 

「あの角…、

 あの角を曲がれば千恵子の家だ…」

 

足が竦んで動かない。

足が竦んで動けない。

 

どれ位の時が経ったのか。

意を決した島は、角を曲がった!

 

「!!??」

 

島は嬉々として、飛び跳ねた。

其処には、確かに猯?里靴襪鍬瓩あった。

 

大きいこい。

小さいこい。

風に泳いでる。

 

5月5日のコト。