窓の外にはぼやけた景色。

  

タクシーから外を眺めている彼。

そんな彼が向かう先は【神戸クリニック】。

以前検査し、手術日が中々合わず延期し続けていた。

遂に今日、レーシック。

少し緊張の面持ちの彼。

  

病院に着き、暫し順番を待つ。

数分後、彼の名前が響き渡る。

手術室に入ると、5名程の医師や看護師達。

手術台に横になる彼。

『天井の目玉を見ていて下さいね』と医師。

「はい?」と彼。

天井を見ると、目玉親父の画が描かれている。

目が点の彼。

  

『では始めます』

  

緊張の彼。

すると、スッと彼の手が握られる。

!?

“大丈夫ですから!”と看護師。

そういうシステムらしい。

余計に緊張の彼。

   

…と、思いきや緊張の間も無く終了。

処方薬を受け取り、院外へ出る。

外は今にも雨が落ちてきそうな曇天。

しかし、彼には澄み渡った綺麗な曇天。

久方振りに見た素晴らしい曇天。

「まだまだこの世界も捨てたモンじゃない…」と彼。

  

有り難う、目玉親父。

さよなら、眼鏡。

あ、目玉親父って老眼なのかな…?

    

   

まん丸地球をこの目でみたい

一度でいいから本当にみたい

宇宙の果てってどんなところ

時間と距離を超えた世界

素晴らしきこの世界