寒空の下、登山に興じる。

標的は富士山。高い。高い。流石日本一。

3776m。歩く距離としては、然程困難ではない。しかし、登るとなれば大事だ。

大粒の汗を流しながら登る。

寒さは汗と共に流れてしまったようだ。

 

5合目辺り。

一先ず休憩。

此処まで無休で登り続けてきた。

楽しみにしていたおむすびをリュックから取り出す。が、コロリン…。

 

!?

 

直ぐ様追いかける。

逃げるかのように、転がり続けるおむすび。コロリン。コロリン…。

諦めかけたその時、一人の紳士が拾ってくれた。

お礼を言い、紳士の顔を見て吃驚。

【福岡ソフトバンクホークス】王監督、その人である。

必勝祈願の為、登山に来たらしい。

 

二人は直ぐに意気投合。

励まし合いながら山頂へ向かう。

矢張り独りの時より、歩が進む。あっと言う間に頂へ。

国を見下ろす二人。

何を思っているのか、無言でこの国を見下ろしていた。

 

暫し、休憩の後、下山へ。

すると徐にポケットから茄子を取り出す監督。

そして『帰りはこれで下りよう!』と。

疑問符が浮かぶ横で、茄子は見る見る大きくなり馬車と成った。

 

茄子の馬車で楽しく下山する二人であった。

 

 

こんな夢を見たかった…。

 

明けましておめでとう御座います。本年も宜しくお願いします。

 

 

上見るな 下見るな 誰もがそう言うけれど

憧れ 裏切られ 傷つかない方法も

身につけ 乗り越え どこへ行こうか?