今日、彼は再び歯医者へ。

先週のレントゲンの結果を見る為だとか。

 

『虫歯も無いし、歯もとても健康ですね!』と医師。

ホッと、胸を撫で下ろす彼。

が、『親知らずが変な方に生えてるんで抜いといた方が良いね』とその医師。

彼は動揺する。

“抜く”、などと言う心の準備が出来ていなかったからだ。

「今日はイイですわ」と席を立つ彼。

『悪なる前に抜いといた方が良いよ』と、食い下がる医師。

彼はビビる。

と言うのも、彼は小学生の頃抜歯したあまりの痛さにそろばん塾を休んだコトがある。

「いえ、大丈夫です」と言う彼に、立板に水の如く医師の説得が。

 

気付けば、診察台に仰向く彼。

相変わらずの喋りの巧い医師だ。

彼が女ならベッドにまで連れて行かれていたかもしれない…。

 

彼の口に麻酔注射が入り込む。

腹を決める彼。

歯茎に突き刺さる注射針。

が、幼き頃に経験した程の痛みではないようだ。

医療が発展したのか?彼が強くなったのか?兎に角耐えられる痛みだとか。

 

そして、いよいよ抜歯。

ペンチの様な物が口内に。

ギシギシと音を立てる親知らず。中々抜けない。

ココから歯vs医師の激闘が繰り広げられる。

 

フレーフレー!歯!ファイト!医師!

どちらも頑張れ!!

 

数分後、彼の眼には、歯を掲げて微笑む医師の姿が。

無事に終了。

 

親知らずを抜いたコトも、親知らず。

 

 

宇宙や世界や宗教 それもいいけれど

女よ そっと優しい乳房を さし出してくれ

のどをさき 血を吐いても そいつを飲みこみ

男よ もっと真っすぐな サムライになれ!!