ここ数日、彼の携帯電話に見知らぬ番号からの着信がある、とのコト。

「誰だろう?」

見知らぬ番号の時は、出ない彼。

しかし、一日一回必ずかかってくる…。

「次、かかってきたら出よう!」

そう、誓う彼。

 

が、それ以来かかってこない…。

 

そんな事も忘れていた或る日、彼の携帯に着信が。

どうやらお兄さんかららしい。

『息子が携帯を買って、お前と喋りたがってるんやけど出ろよ!

喜ぶから、今かけたって!』と叱咤。

 

「成る程、あの着信はそういうコトか…」と彼は甥に電話を。

幼少の頃はよく遊んだ、らしい。

 

「もしもし」

『はい』

「俺や、覚えてる?」

『うん…』

「久しぶりやな~」

『うん…』

「今、何年?」

『中1…』

「クラブは?」

『美術部…』

「学校楽しいか?」

『うん…』

 

小閑

 

「又遊ぼうや!」

『うん…』

 

小閑

 

「ほな、切るわ。頑張ってな!」

『うん…。そっちも…』

 

喜んでいたのか……?