ドストエフスキーの「未成年」と「貧しき人びと」も読み終えました。
「未成年」の感想は「長かった~」
だけど、意外におもしろかったです。
賛否両論あるそうですが私は再度読み直してみたいと思っています。
「貧しき人びと」の感想は「なんじゃこりゃ」でした。
若い女性と年老いた男性が交わす手紙のやりとりなのですが
読み始めたとたん、なにかの騙し合いかと思いました。
それほど私の心が貧しいのかもしれませんが、ありえんくらい
馬鹿正直というかなんというか。
ただでさえ貧しい男性が全財産を投げ打って、それどころか借金までして
何もかも愛する女性に捧げてしまうのです。
女性のほうも「いけませんわ」と言いながら、けっきょく頼っているのです。
どの作品にも貧困の凄まじさと、貴族生活の煌びやかさが対比してあり
気がつけば、いつも本の世界に引き込まれてしまっています。
ロシア文学に興味が湧いたのは「戦争は女の顔をしていない」を読んだせいです。
戦争の真只中を果敢に生き抜いた女性たちの人生が集められています。
「小さな人間」に焦点を当てたロシア文学の伝統に根ざしているということなので
かの有名なドストエフスキーを読んでみる気になりました。
「小さな人間」というのは恵まれない環境に身を置き、虐げられ、侮辱されているだけでなく
それまで持っていたもの、手にしたものを奪われ、失い、大きな喪失感を味わっている人です。
私はロシアについてほとんど何も知りませんでしたが、昔、ゴルバチョフ大統領が
とても素敵に思え、当時は中学生くらいだったはずですが
こんな本を買って読みました。(そこから落合信彦にもしばらくハマったなあ~)
アメリカの影響のせいか日本では「おそロシア」と言ったりして、あまり人気がないように
感じますが、作品を読んでいくうちに、ロシア人には日本人に共感できる部分が
多いように思えました。
その気高さと忍耐強さときたら、ちょっと真似できません。
なんでこんなに我慢強く、それでいて卑屈にならず、どんなに貧しくても誇りを
持ち続けられるのだろうとロシアの歴史を少し見てみました。
いやはや血みどろの独裁者が続々と・・・。
イヴァン雷帝やらピョートル大帝やら、スターリン。
日本で言ったら織田信長に輪をかけたような?
みなさん独特の性格だったようです。
愛すべき面と、残虐非道な行い。
人格に激しく矛盾を抱えながら、あの大国を嵐のごとく導いた、まさに神のような存在。
人々は天災に遭ったように忍耐するしかなかったようです。
だからこそ誰もが哲学を持って生き抜いたのかもしれません。
本との出会いは、人生に影響を与えるものです。
たまたま本屋さんで視界に飛び込んできたりする出会いを大事にしています。
ちょうど「戦争は女の顔をしていない」がそうでした。
自分がロシア文学を読み始めるなんて思いがけないことでしたから。
次はトルストイに挑戦しようと思っているところです。
あ、でも年末に本屋で目が合って衝動買いしたのは
この2冊でした。
正月休みの間、海外旅行をしたつもりになれて
とても楽しく過ごせました。