「これからの話をしよう。」より一部転載します。
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最後に、2つだけ聞いてほしい、と僕は言った。
1つは、どんなものにも、「絶対」なんていうことはないけれど
「自分の意見、自分の考えというものを持つことが、とても大事なんだ」
と僕は言った。
社会が言うから、みんながそう信じているから、なんていうのはよろしくない。
「自分はこういう理由でこう思う」というのを持て、と言った。
そして、そういうことを考え続けるのが、人生だということ。
社会は、1人1人が、それぞれ「僕はこう信じている」という積み重ねでしかなく
自分と違う他人の意見があったら、絶対に聞いてみるべきだし
人に訊かれたときに自分の意見が言えるよう、考え続けることが大事だと
僕は言った。
そして、2つ目。
「想像力」が大事なんだよ、ということ。
「自分だけ」ではなく、「他人」のことも考えること。
「今日だけ」ではなく、「明日」のことも考えること。
「ここだけ」ではなく、「どこか」のことも考えること。
その「想像力」があるからこそ、人間なんだと僕は思うし
その「想像力」のおかげで、いまがあるし、未来がある、と僕は言った。
だから、想像力が豊かな人間は、人間的にも豊かだと言えるし
想像力が乏しい人間は、人間的にも乏しいと思う。
そして、想像力があるのに、知らないふりをしているのは
そんな無責任でずるいことはない、と伝えた。
と、そんな、息子との、2~3年前の会話を思い出した。
早いもので、この4月から、もう中学生になる。
この会話を思い出したきっかけとなった
「途轍もない災害と事故と事件」
について、まだ、息子と会話はしていない。
このままでは、僕は、父親ではなくなってしまうように思う。
このままでは、僕は、人間ではなくなってしまうように思う。
どういう社会を作っていくのか。
どういう未来を作っていくのか。
会話をしよう。
耳を傾けよう。
考えよう。
それぞれの家庭で。
それぞれの人生で。
大変、不謹慎な発言かもしれないが
日本という国、日本人にとって、大きな「チャンス」なのではないだろうか。
振り返るチャンス。前を向くチャンス。
せめてそのくらい言えないと、僕はもう苦しくてやっていられない。
反省すべき過去があるなら反省して
これからの話をしよう。
季節が変わる。
春が来た。
著者の飯野賢治さんは、
今年2月に43歳の若さで亡くなってしまったけれど、
大事なメッセージを私や息子に残してくれた。
これは、一人の親たる存在を大きく超える力を持っている。
同じ力を自分へ引き寄せ、そして周囲に放つ。
(byプリン大好きさんのブログ)