「原発に頼らない社会へ」122ページより
ゴールが見える状態と分からない状態では
大きく違う。
何より「可能性に気づく」ことの効果が大きい。
可能性が見つからなければ何をしてもムダだし、
絶望してしまったとしても不思議ではない。
しかし可能性が見えるときに人は変わる。
いわば真っ暗闇に一条の光が射すようなものだ。
どちらに向かえばいいか、わかるようになる。
ゴールに向けて、自分なりの一歩を踏み出すことが
できるようになるのだ。
そもそも一人が頑張って進むことは、社会には
あまり大きな影響を及ぼさない。
共感を得られなければ、「変わった人」のひと言で
終わってしまうからだ。
しかし多くの人が小さな一歩を踏み出すことは、
とても大きな効果を生み出す。
だから個人的に努力しているだけの人は、あまり
効果をもたない。
さらに進んでいない人を攻撃したのでは、解決に
向けての運動の妨げにはなっても、促進には
ならない。
人が歩き出すときには、まず重心を前に傾ける。
この重心の傾きこそが、歩き出すことの端緒
なのだ。
重心が前に傾いていると、一歩で止まりたくても
簡単には止まれなくなる。
立ち尽くしている人は、どちらに重心を傾けたら
いいか判断できていない状態なのだ。
これをほんの少し重心を動かせるように、誘因を
作るのがいい。
可能性によって方向を見出し、経済性によって
一歩踏み出すのが効果的な方法だと思う。