こんにちは、Doです。今日は連携の在り方を考えたいと思います。
MSWを経て包括支援センターで勤務している私ですが、最近MSWの方との関わりの中で少々残念なことが続いています。
それは、通院・入院しているクライエントやその家族から聞く「退院してくださいと言われただけでどうすれば良いか分かりません」とか「“介護保険の申請に行ってください”・“包括支援センターに行ってください”と言われて来ました(電話しました)」という言葉と、そういったケースにおいて事前にMSWからは連絡がないことです。

そんなこと!?と思われる方もいるかもしれません。自分はもっときちんと説明している!と怒る人ムキーもいるでしょう。きっと私がまだMSWだったら腹が立っているかもしれません。

しかし、実際は自身が今置かれている状況,包括支援センターに行く目的と理由,何を伝え、何をしなければならないかを上手く理解し、しっかり言葉に表せる人はあまり多くないのです。そうするとどうなるか…。一からまた色んなことを聞くことになります。人によっては二度も三度も話したくないと口を閉ざす方もいるでしょう。また、正確な情報がない状況では、クライエント・家族にとってはもちろんのこと、医療機関(MSW)や包括支援センターにとっても大きなリスクとなり、最悪の場合、クライエントとその家族の不利益に繋がることにもなり得ます。そこにMSWが関わっているはずなのにも関わらず…です。

 

さて、上記のような状況もそうですが、「医療ソーシャルワーカー倫理綱領」を読み、実践に当てはめたり、振り返ることをしたことがあるでしょうか。「行動基準」のうち、「利用者に対する倫理責任(ミクロ)」と「実践現場における倫理責任(メゾ)」を観てみましょう。
MSWには①説明責任,②自己決定の尊重,③意思決定能力への対応,④他の専門職との連携・協働すること等が求められています。
具体的には下記の①~④が示すような事柄です。


 

MSWの支援は単独のMSWで、かつ医療現場だけで考えるものではありません。MSWが包括支援センターに繋げること一つとってもこの行動基準に十分に当てはまると思うのです。

前述した例の場合、事前にMSWが我々に連絡してくれていたらどうでしょうか。そして、生活歴(取り巻く環境を含む)や経済状況,心身の状況・経過,病状説明の内容と傷病に対する理解度,クライエントと家族が持つ個別的な生活課題と生の言葉等の情報を提供(代弁)していたらどうでしょうか。

きっと、適切な情報を提供がなされることで選択肢の幅を広げ、自己決定できる力を育むことができたことでしょう。また、支援ももっと具体的でより現実的なものになったことでしょう。ここに意味があります。「連携する」とは「単に紹介する」ことではありません。しっかり繋がり、共に協力し、同じ気持ち・目標を持って前に進むようにして初めて意味を持ちます。

ほんの些細な事かもしれませんが、ものすごく大切なことだと思っています。初任者の方からベテランの方まで、今一度一緒に考えることができればと思います。特に今は“Withコロナ”時代です。MSWは安易に外に出ることができなければ、我々包括センターも病院を訪問することもなかなかできません。情報共有や顔や心の見える関係づくりに一定の制限がかかります。今こそ連携の在り方を考え、その方法について新たなチャレンジが求められています。共に成長しましょうぞ!

 

 

 

 

Do