皆さん、こんにちは!はったらーです。
以前ご紹介した、「魅力のあるリーダーになるために~感性型リーダーシップの10の条件~」(感性論哲学者 芳村思風 著書)にて、感性型と理性型を表にして比べたものを掲載しました。感性型リーダーシップは、愛と対話とパートナーシップで人を率いていき、上下の形ではなくお互いに役に立ち合うという形で人を活かします。
今回は感性型リーダシップについて、10の条件を参考により具体的に見ていきましょう!
~感性型リーダーシップの10の条件~
① 人に教え育てることのできるずば抜けた教育力または、人の持っている能力を活かす活人力を持っているか
ここで言う教育力とは部下を成長させるための関わり方,活人力とは部下の能力を引き出す力、つまり部下を輝かせる力のことです。例えば、リーダーが優れた技術を持っていて、それを全スタッフへ伝え組織を成長させていくことは教育力。活人力は、自分が苦手な事や出来ない事を公言し、それを得意な部下に代わりに行ってもらったり,ノウハウを教えてもらったりする中で部下のやる気や能力を引き出すことです。
これからは個性の時代と言われており、組織・スタッフには多様な需要・ニーズに応えていくことが求められます。このような時代においては、リーダー自身も『不完全な人間である』ということを原理にしたスタッフ教育が必要とされます。スタッフに教えるのではなく、スタッフへ問いを発してその答えを導き出す中で個々の持つ能力や可能性を引き出すというリーダーの活人力が求められます。
リーダーが持つ活人力を発揮していくためには、短所や欠点をさらけ出す勇気と自身の仕事の一部を敢えて部下へ任せること。これらを重視したリーダーシップ・マネジメントをしていく力が求められます。そういったリーダー自身の在り方・姿勢を示すことによって部下から信頼される、魅力を感じてもらえるリーダーになれるのではないでしょうか
② 魅力ある個性か人望があるか
あなたの身近にいるリーダーは魅力的ですか?リーダーには部下から憧れられる存在であること、カリスマ性が求められます。 憧れられるには、非常に個性的で秀でた能力を持っていなければなりません。しかし、それだけでは不十分で、性格的な魅力を持っているということもリーダーの大事な条件です。つまり、能力だけではなく人望も必要だということです。
人望を得るために必要なのは、「自信と謙虚さ」です。 自信の無いリーダーには当然ですが誰もついてきませんが、自信過剰であってもよくないです。自信過剰にならないために大事なのが「謙虚さ」です。自信のある人が謙虚だと「立派だ」と思われ、自然と人がついてきます。それと、もう一つ「感謝と謝罪」も必要です。これも先程の自信と謙虚さと同様に一対のものです。 よく感謝の言葉や表現を示す人が多いですが、先述した不完全な人間において、「感謝」だけでは「良い人に思われたい!」という善人根性がちらついてしまい、人徳としてはまだ浅いそうです。本物の人徳として人望を得るには、「間違ったらすぐに謝れる「謝罪」が「感謝」に加わることで人徳に深さがでてきます。
③ 勇気ある行動力を持っているか
ここで言う勇気のある行動とは自身が泥をかぶる勇気のことを言います。リーダーがすべての責任を負って、部下のために一肌も二肌も脱ぐという姿勢を示し、実際に行動に移すことができるリーダーの下にだけ「この人のためなら」と思う部下は育ちます。自己保身に走らず、部下を守る為にどんな問題からも逃げないで、自己犠牲的な努力をできることがリーダーの条件です。
あなたのリーダーは、「部下の成功は上司の手柄」「上司の失敗は部下の責任」と言っていませんか?最近では半沢直樹でも同じようなフレーズを言っていましたよね。もちろん、これは全く逆で「上司の成功は部下の手柄」「部下の失敗は上司の責任」でなければ組織は成り立たないと言われています。そのためにはリーダーの部下を守る愛と勇気が必要です。
④ 哲学的歴史観に基づいた先見性を持っているか
リーダーには確実な先(未来)を読む力が求められます。この確かな先見力を持つには、「哲学的歴史観」が必要です。「哲学的歴史観」というのは、過去の事実(歴史)の根底に流れている時流をつかむということです。「時の流れの方向性」というのを掴んで、だから先は必ずこうなると言えるというのが「哲学的歴史観」なのです。しかし、それだけは不十分で、時としてスタッフに今のつらさに耐えてもらう場面に対峙するときがあります。スタッフに現実の辛い仕事や困難を乗り越えてもらうためには、それぞれの未来に夢や希望を持たせることが必要です。それにはリーダーが確かな未来を示さなければなりません。リーダー自身が『こんな未来を創る』という夢や理想をリーダー自身が言葉にし、行動に示す。これはリーダーの最大の任務ではないでしょうか。
⑤ 今行っている仕事の意味や価値やすばらしさを情熱をもって熱く語っているか
人間の心には「意味と価値を感じる感性」があり、人間は意味や価値を感じないとやる気にならない、命に火がつきません。リーダーは全スタッフの心に火を灯さなければいけません。意味と価値を感じてこそ「人間的」と言える世界が作られていきます。意味と価値を感じなかったらただのモノです。意味を感じないでしていることとは「意味のないことをしている」のです。だからほとんどの組織の業務というのは「惰性」です。仕事があるからやっているだけであって、意味や価値や素晴らしさを感じないでやっています。仕事に追われて仕事をしている「惰性」なのです。これでは「いい仕事」はできませんし、「いいサービス・製品・商品」は作れるはずがありません。惰性でやっているような仕事の仕方では顧客を感動させることはできません。朝礼やミーティングでは社訓や経営理念を唱和したりすることも大切ですが、それよりも自分たちが今から行う仕事の意味や素晴らしさをリーダーから直接スタッフに熱く語ってもらう方がモチベーションアップやチームの結束につながります。仕事の意味・価値を口が酸っぱくなるくらい語り続けることもリーダーの仕事の一つなのです。
⑥ 自分の生き方を支える自分の哲学をもっているか
この自分の哲学というのは「信念」という言葉に置き換えることができます。リーダーというのは「ブレない信念」というのを持っていないとリーダーとは言えません。「ブレない信念」というのはただひとつ「この仕事・このためなら死ねる」というのが信念なのです。「ブレない」というのは「死ねる」ということなのです。死んでしまってはどうしようもありませんから、「命を懸ける」という気持ちを持って生きるのが最良の生き方だと感性哲学では言われています。仕事の持つ意味や価値を突き詰めた時に信念が生まれますので、仕事の意味や価値を感じることができる「感性」も育てる必要があります。
⑦ 人間として成長意欲を持ちつづけているか
感性論哲学において人格とはこの「謙虚さ」と「成長意欲」と「愛」を指します。仕事を通してこの3つの原理を「人間の格」として自分の中に作っていかないと、本当に身についた人格とは言えません。人間性というのは性格と人格という「格」が絡み合ったものです。性格の半分は本人の生まれながら持ったものですが、残りのは生まれてから後、意識しない間に命に積み重ねられていったものが反映されています。一方、人格には「高さ」「深さ」「大きさ」があり、それぞれを求めていくことが必要です。人格の高さとは「高貴なる精神」を持とうとすることです。人間の大きさとは「器が大きい」「度量が大きい」「包容力がある」といったものです。人格を磨くということは追求していくことになります。
そして、人格を磨いていくと、性格が持っているマイナス面が表に出にくくなり、性格が良くなっていき、総合的に人間性が成長すると感性哲学では考えます。仕事を通して人格を作り、仕事を通して人格の高さである「高貴なる精神」を作り、仕事をしながら人格の深さを作り、仕事をしながら大きな人間になっていかなければいけません。
⑧ 創意工夫の努力を続けているか
よくある話が、講演会などで成功談を聴いてそれを真似をしようとしますが、二番煎じ、三番煎じではどうしてもうまくいきません。なぜか?それは自分の組織が置かれている条件が違うからです。
魅力を感じてもらえるリーダーになるためには、組織を発展させることにおいて他の真似をしてはいけません。自分の組織の中から出てくるスタッフの発想・提言・提案を出来る限り形にしていく創意工夫を続けていくことが大事なのです。そうすることで、他が真似のできない存在感のある組織になっていきます。これが個性の時代の創意工夫の仕方なのです。
⑨ 文化力を身につけているか
仕事の面だけで尊敬されるだけでなく、それ以外の物事(文化や芸術,趣味)に秀でていると人間的な親しみを感じてもらい、さらには尊敬もしてもらえるようになります。そこには人間的に心から服する「心服」という心情がスタッフに生じるからです。
仕事人間ではなく、何か他の面においても上手!プロ級!と言える素養も身に着けておくと、ひょんなことからスタッフとの心のつながりや信頼関係が生まれ、心を開いてコミュニケーションが出来るようになります。
⑩ 人間性の豊かさを持つ
人間性の豊かさとは幅を持つということです。 この幅は、考え方や立場,性格の違う人でも一緒にやっていける人間性です。リーダーというのは多くの人を懐に抱えて統率していかなければならない立場ですから、自分と考え方が違うのでダメだと言っていたらリーダーはやっていけません。考え方、価値観、宗教、性格が違っていても、まとめて統率できるという力をつけていかないといけません。同じ考えの人とどれだけ付き合っても成長はしません。楽しい、愉快、気楽だけでは成長しません。成長しようと思ったら、自分に無いものを持っている人と付き合って、自分に無いものを学ばないと成長しません。
人間性の豊かさのために大事な原理は、人間誰でも長所半分、短所半分で、人を愛するということは長所も短所も丸抱えで愛することです。長所は愛せても短所は愛せないという人は、人を愛する資格がありません。そのためには長所と関わり、短所は許すという「不完全を生きる力」を作っていかないといけません。短所を非難し、責めているようでは人間ではありません。短所がなかったら人間ではない、短所があってこそ人間です。短所が無かったら謙虚にする理由がなくなってしまい、傲慢になるだけです。「不完全を生きる力」を作っていかないと魅力あるリーダーになれません。