こんにちは タップです

私はこう見えて(大体オマエ誰やねん?って話ですが)小説を読むのが好きです。

専門書はなぜか集中力が途切れて中々進みませんが、小説は何時間でも読めるタイプです。

 

今日は最近読んだ本をご紹介します。

 

長いお別れ 中島京子著 文集文庫(2018第1刷)

 

これは、かつて中学の校長だった男性が認知症を患ったことをきっかけに、妻・娘たち・友人らのそれぞれの視点から男性との関りや自身の生活の変化を描いている物語です。

目的の場所にたどり着かなくて何とか帰宅した主人公。時間の経過とともに変わりゆく夫の姿に戸惑いながらも献身的に介護する妻。離れて生活しながらも、それぞれの立場で2人を支えようとする娘たち。読み進めながら、私たちが日々接する患者さんやご家族にもそれぞれの思いや背景があって、日々葛藤しながら認知症と向かい合っているのだろうと思いを馳せました。

物語は、妻や娘、孫等、家族それぞれの視点で語られます。とてもリアルです。最後に本の題名である「長いお別れ」の意味も解ります。ああ、本当はもっと書きたいけど完全ネタバレになるのでこの辺で。

2025年には700万人を超えると推計されている認知症患者。認知症を正しく理解することは勿論ですが、MSWとして患者さんやご家族のファミリーヒストリーをとらえ、1人の人間としての尊厳を保ちながら適切に多職種と連携して支援していくことが重要でだと、改めて考えさせてくれた1冊です。

 

みなさんも、ぜひご一読ください。