「泣き虫天使ジルと流れ星✨ 6 」
やがて、地面から出てきた蕾がするすると伸びてくると、
あの時と同じように胸のあたりで止まりました。
でも、今度はそれだけでは止まりませんでした。
さらに蕾が大きくふくらんでいきます。
大天使様の強い魔法が流れ星にそそがれているからでしようか。
蕾はゆっくりとひらきはじめました。
ジルは涙を浮かべながら、願いをこめました。
「大きくなあれ!」
「キラキラになあれ!」
「流れ星になあれ!!」
ジルが想いをこめて魔法の杖をふった時です。
たくさん出てきた蕾が一斉に咲き始めました。
そこらじゅうに星形をかたちどった花がキラキラと輝いています。まるでこの星そのものか光っているようです。
なんてキレイなんだろう!
あまりの美しさにみとれている合間にも、流れ星の花は次々と花びらを開いていきました。
最後の一つが咲き終わると、それを待っていたかのように地表のキラキラしたものがいっせいに茎へ、花へと吸収されていきました。
いままで飛んできた涙の結晶が今やっと花へと宿ったのです。
そう、あの人間が、蕾を取ったとしても、あれはただの器でしかなかったのです。
切り取った蕾はやがて、かれてしまうでしょう。
しばらくすると、大天使様が杖を振り上げて叫びました。
「舞い散れ、花のごとく。流れ行け、星のごとく」
大天使様の声が聞こえたとたん、花がいっせいに、一つ、また一つと浮き上がり、離れて、この星から旅立っていきました。
まるで、花びらが風に舞い散っていくように、流れ星の花が空に広がって銀河へ流れていきます。
ジルは座り込んで、その奇跡を眺めていました。
泣き虫天使とよばれたジルの顔には、涙が浮かんでいましたが、それはジルの決意の涙でもありました。
あの一つ一つに夢を叶える奇跡がつまっているのだと思うと、自分がとても大切な役目を大天使様から任されたのだと、わかりました。
大天使様はジルの心に、いぜんとは違った光が灯ったのを見届けると、静かに天へと帰っていきました。
やがて、何年か時がたち
ジルは銀河から流れてきた雨の中に、宇宙船に乗っていた彼の涙をみつけます。
ジルはその涙の雨を魔法の杖に集めて、ひとつの種のそばへと願いをこめてふりかけました。
彼は気づいたのね。
嘘をついたあやまちを。
そして、涙を流した。
だから、その涙を、今度は彼が生まれる前に願っていた、真実の夢を叶えるための流れ星にしてあげよう。
彼が純粋にその夢を追いかけていけば、必ず叶うように。
空を見上げたその時に、流れ星に出合うでしよう。
きっと。
私はそう願いを込めて、星の花をそだてて、あなたに送るわ。
あなたの涙が作った流れ星を・・・。
たとえ、私が作ったと気づかれないとしても・・・。
☆ ☆ ☆
今宵、雲ひとつ出てない夜に、もしかしたらジルが作った流れ星が流れるかもしれません。
あなたが流した涙が作る、奇跡の流れ星。
いつかあなたの夢が叶うように、今日もジルは魔法をかけ続けます。
「大きくなあれ!」
「キラキラになあれ!」
「流れ星になあれ!」と・・・。
✨おしまい✨
☆☆☆☆☆☆☆
こんばんは、きゅりです
最後までお付きあい下さった皆様、
本当に、ありがとうございました🎵
皆様がどこかで流した涙が、いつか奇跡の流れ星となってあなたの夢を叶えることを願っています
また、いつかなにかが書けたら、更新して戻ってきますね😉
お忙しい中、
いいねや、コメントまで、本当にありがとうございました🍀
では、また~🎶お元気で~✨
きゅり🍀