「泣き虫天使ジルと流れ星 ✨ 3  」



それからの日々は楽しいものでした。


蕾がいつ咲くのか、明日かしら明後日かしら、そう思うたびに自然と笑顔があふれます。

時計台の振り子からきっともうすぐ咲くかもよ。絶対にそうよ。私の勘はあたるわ。本当よと。

何度も言われてジルは今か今かと毎日、待っていました。

そんな、ある朝の日。

時計台のある場所から、さらに離れたところに、小さな宇宙船のような乗り物をみつけました。

この星に宇宙船なんてないはず。


ジルは驚いて見に行きました。

見ると、その宇宙船からは少し煙があがっていました。
どうやら、この星に不時着してしまったみたいです。

乗っていた人は大丈夫かしら。


ジルは心配になりそっと宇宙船を覗いてみました。
すると、人間の若い青年が中で何か作業をしていました。

ジルが覗くと彼はビックリして宇宙船から飛び出してきました。

宇宙船が故障してこの星に不時着したんだ。と、ジルの思ったとおりに彼は話しました。


「ねえ、君。もしかして宇宙船とか修理できないかな?」

ジルが横に首を振ると

だよね。と、笑いながら頷きました。

「修理工場とかは、」と言い周りを見渡してから、あるはずないよね。と、頭をかきながらため息をつきます。

「この星には私しかいないわ。あとは妖精と振り子さんだけ。残念だけど、修理してくれる人はいないわ」

「じゃあ自分でするしかないな」

彼はまた宇宙船に入り込むと、ガサゴソと鉄の塊を握って宇宙船の機械を右や左に動かし始めました。


何度か機械を動かしたその時です。


シュルルルと何かが動き出した音がし始めました。
どうやら、宇宙船が直ったようです。


ようやく、彼も安堵して宇宙船の上に座り込み一息をすることにしました。

ジルは彼がどこから来たのか、どこへいくのか、どんな星をめぐってきたのかを聞いてみたくて、隣に座り込み聞いてみました。

たくさんの星を見てきたよ。


そう彼は言いました。

 


赤い星や緑の星、そういえば青い星もあったな。
キレイな星でね、水の惑星なんだ。


彼の話に夢中になっていたジルは時間を忘れて話し込んでしまいました。

どれくらい時間がたったでしょうか。突然、彼が声をあげました。

「大変だ。そろそろ行かないと!」

急に話を切り上げると、慌てたように彼は宇宙船に乗り込み、飛んでいってしまいました。

ジルは首を傾げました。


なぜかとても彼の様子がおかしかったからです。

でも、この星で人間に会えるなんて。


振り子にこの話したらまた、おしゃべりが止まらないかもね。


ジルが小さく笑うと、時計台の鐘がなり始めました。

合図だわ。行かなくっちゃ。

 

 

☆泣き虫天使ジルと流れ星☆ 4へ続く☆

 

   ☆☆☆☆☆☆☆☆


こんにちは。きゅりです。

 

ここまで、読んでくださりありがとうございました😃

泣き虫天使と呼ばれたジル。ちっとも泣かない😊

続きを読んでくださったらわかると思います。

この物語に、最後までお付きあい下さったら嬉しいです。

ありがとうございます🎵

 

  きゅり🍀