前回より
フクロウ男爵はビオの躰をジーっと眺めまわして、「まあ、あなたを食べることはないです。誰でも好みっていうものがありますからね」と、ニヤリと笑いました。
以前も美味しくないとか、いろいろ言われたことをビオは思い出しました。
その40「魔法の使い道」
フクロウ男爵の言うとおりに、ローレンス達が黙ってみていると、妖精王が何かの魔法をかけると、どこかにあった大きな剣が飛んできて妖精王の手に握られました。
ローレンスが「そうか!」と頷きました。
「蜘蛛の奴に直接触れるものだけが、実体のあるものであれば構わないのか!」
「その通りです。周りにあるものには魔法を使うことができる」
フクロウ男爵がそう言った後、すぐに妖精王はその剣をディーンから垂れている銀の糸へと投げ、その糸を見事に断ち切りました。
ローレンス達がやった!と、喜んでいると、フクロウ男爵がさらに、続けて言いました。
「そして、人間が好物であるなら、ここにいる人間を人間でないものにしてしまうこともありです」
「へ?」
ビオが驚いて太い尻尾を上げると、隣にいたローレンスが、突然眩い光に包まれていきました。
「うわー!!」
妖精王が指の先を天へ向けて、ローレンスに魔法を使ったのです。
眩しいほどの光に包まれたと思ったら、ローレンスの体は、あっという間に猫型へと変わってしまいました。自分の姿に驚き、落胆しています。
「なんですか、これは!?どういうことなんです?私はまた、あの猫の姿に戻ってしまいました。せっかく元に戻れたっていうのに・・・」
「おい!ローレンス。お前、なんか言葉使いが元に戻っているぞ」
「そうみたいですね。どうも、この姿の時はこういう言葉でしか話せないようです。誰の差し金なんでしょうね?」
その魔法はもちろん、隠れていたリア王女、ライラたちにもかけられました。
やっと人間に戻れたローレンスは、また猫の姿に戻り、リア王女達は妖精姿に変わっていました。
「なにこれ?」
妖精姿のリア王女は、妖精らしく耳が少し尖がっていました。スカートも薄く透けて見えるような生地で短めになり、どうやら体も細くなって軽い感じがします。
そしてなにより、自分の背中にひらひらとした羽根がついて、それが自分の意志で動かせることにびっくりしました。
驚いているのは、リア王女だけではありませんでした。ライラも同じように変わっていました。
「ちょっと、ねえねえ、リア!私たち、妖精になってるわよ!」
余程、妖精姿が嬉しかったのか、羽根をさっそく動かして飛べるかどうか確かめています。ライラは羽根を広げて動かすと、ふんわりと体が浮き上がりました。
「ねえ、アルフレッド!見てよ!!飛んでるわ!」
辺りにいるであろう、アルフレッドを見渡しましたがいません。
すると、下の方からふわふわと小さな緑色のモノが浮かんできました。
よく見ると、カエル姿のアルフレッドでした。
ブツブツと文句を言いながら、ライラ達の側に近づいてきます。
「なあ!どうして俺だけ、カエルのままで妖精なんだよ!!人間に戻してくれてもいいだろう!」
「やだ!カエルの背に羽が生えてる!!」
ケラケラと笑うライラに、リア王女もつられて笑ってしまいました。
「酷い奴らだな!」
「けど、考えてもみてよ。これで、人間を食べるっていうあの変な蜘蛛に食べられなくてすむわ!」
確かにライラの言うとおりです。
それがわかっていて、妖精王が魔法を使ったのかもしれません。
リア王女は、ここに隠れている場合じゃないと思いました。
「行こう!ローレンス達のところに。私たちも何かできるかもしれないわ!」
その41「絶体絶命」へ続く
こんにちは。
「リア王女と魔法のジュエル」 その40をお届けできてうれしく思います。
楽しみにしていてくださった方々、読んでくださった方、寄ってくださった方、ありがとうございます。
いつも、なんで物語を書くとこんなに長くなるんだろうな~!と、思います。
で、途中でいったん挫折するんです、私。
まあ、そこそこの事情はあるんですけどね・・・。
とりあえず、続き更新です。
リアちゃんやライラが妖精の姿になるくだりと、アルフレッドがカエルのままで妖精になるくだりは、書いてて楽しかった!!
うん。やっぱ楽しく書きたいな~^^早く終わらせよう。できるかなあ~。
あ、そうそう、この頃、嬉しいことが!!
私のずいぶん前の鉛筆画を知人に見せたところ、是非欲しいと言ってくれて♡♡♡
なんか、嬉しいですね~。お金も払うと言われましたが、いやいや!!と断りました!
貰ってくれるだけで、しかも額に入れて飾っても下さると・・・それだけで、嬉しい!!
自分の手から、なくなるのは淋しい気もしますがね☆お嫁入です♡
ありがとうございます~*
昨日はクリスマスでしたね!!皆さん、素敵な一日を過ごされたかな?
私はケーキ食べました~美味しかったです。マートのケーキだったけど、かなり美味しかったです。
更新は、あと二回です。
明日も更新予定です。
更新、お楽しみくださいね。最後まで、読んでくださったら嬉しいです♡
ではでは、またお会いしましょう。