すごく昔に書いた詩です。
たしか、何かの曲に当てて作ったのを覚えています。
懐かしいです。



  「通り雨」

懐かしい声はきっと
あなたのいたずらだね
振り返る通り雨
濡れた行き道に
零れ落ちた

少し近づきすぎて
お互い傷つけてた
今の大人びた
私を笑うかしら
優しい声で

大切なもので
うめつくした
セピア色は
途切れて
光り始めた明日に
薄れゆく

優しくて つれない雨


きっと忘れられない
その手の切なささえ
熱くなる目元に
必死で隠してた
恋しい面影

大切なもので
うめつくした
あの道に広がる
桜色

並んだ肩は
雨に濡れて
散っていき
春の残り咲き


懐かしい風に
吹かれながら
セビア色の恋は
途切れて
変わっていく空に
にじんでいく

あの日へと戻れない
通り雨

 詩集  未完成の音色より