ストラテラ服薬中の人へ自立支援法の勧め | kyupinの日記 気が向けば更新

ストラテラ服薬中の人へ自立支援法の勧め

今日はなんだか変なタイトルだが、ストラテラは非常に薬価が高いこともあり、できるだけ自立支援法を使うよう勧めるといったものである。

 

成人では、ストラテラは良い人は80~120㎎程度必要なことが多く、3割負担でも医療費がかなり高い。ストラテラはまだ先発品しか発売されておらず、イーライリリーのストラテラだけである。

 

ストラテラ40㎎カプセルで461.2円、25㎎カプセルで409.5円とかなり割高である。つまり、用量が小さいものほど、㎎単位では高価になっている。

 

例えば認められている最高量、40㎎3カプセル服用した場合、1日薬価は461.2*3となり1383円もかかる。自立支援法を適用しない場合、3割負担で414.9円もかかる。28日で薬だけで11617.2円かかるのである。これ以外に再診料、通院精神療法、院外処方戦料などが追加されるため、約1か月で3割負担では2万円くらいに達する。

 

自立支援法を使うと、1割負担になるため、この3分の1の7000円弱になる。この差は大きい。

 

また18歳未満の場合、初回投与量の目安が体重キログラム当たり0.5㎎とされているため、例えば40㎎だと、1日20㎎投与となる。また更に悪いことに1日2回に分服しなければならないため、10㎎を2回服用しないといけない。

 

10㎎カプセルは324.7円もするため1日薬価は650円程度となり、当初から1日薬価は結構高価なものになる。ストラテラの場合、同じ家族で親も子供も奏功すると言うケースもあり、家族単位だと大変な医療費になりかねない。

 

このような人は自立支援法を受けることをお勧めしたい。

 

なお、海外だとコンサータの処方例数がストラテラよりずっと多いと言われるが、日本の場合、コンサータの成人の適応追加が遅れたこともあり、ストラテラとコンサータの処方例数の比がかなり異なる(海外に比べストラテラの割合が大きいと言う意味)。

 

日本ではコンサータは36㎎でも402.6円なので、最高量服薬(72㎎)しても1日薬価は800円あまりなので、ストラテラに比べ薬価はずっと安い。

 

またストラテラは処方するが、コンサータはなかなか処方しない精神科医もおり、ストラテラが日本では相対的に海外より使われているところがあるので、ADHDの治療費は著しく高価になっていると思う。

 

また、海外ではコンサータ、ストラテラの併用例があまりないと言う話だが、日本では併用例もあり、一層、医療費が高価になる要因となっている。

 

うちの病院の場合、圧倒的にコンサータの処方件数が多いが、ストラテラを服薬している人はほとんど素晴らしくよく効いている(愕然とするほど)。

 

最近、コンサータを処方している人が他病院に転院した際、その主治医がコンサータを処方しない主義らしくコンサータが処方されず、悪化して舞い戻ってきた例がある。

 

コンサータの良い点は休薬が容易なところである。例えば、週末に登校しなくてよい日は服用しないとか、長期休暇などに休薬も可能なところがあるなど、感覚的に誤解されているところがかなりある。

 

なお、2017年5月26日に、シオノギ製薬およびシャイアー・ジャパンにより、ADHDの新薬、インチュニブが発売されている。この製剤は、ADHDに対する初めてのα2Aアドレナリン受容体作動薬で、1日1回処方の非中枢刺激薬である。