エビリファイの剤型について | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイの剤型について

 

上は、エビリファイのLAIを含めた剤型の全て。

 

このブログはエビリファイが発売された頃に始めているが、この10年余で多くの剤型が発売されている。このタイプの薬は広い適応を持つことや小児にも処方可能なので剤型は多い方が良い。LAIは当然高価だが、液剤もかなり割高な薬である。一方、エビリファイODはこれらに比べ薬価が抑えられている。

 

上の下敷き型のパンフレットでは、1つだけ欠けている剤型がある。エビリファイ1㎎錠である。エビリファイ1㎎の液剤及び錠剤は小児を想定した剤型だが、添付文書的には、LAI及びエビリファイOD24㎎以外は、以下の4つの適応が認められている。

 

統合失調症
双極性障害における躁症状の改善
うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)
小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性

 

従って、エビリファイ1㎎錠及び液剤は成人の統合失調症やうつ病の人にも使える点がベルソムラの10㎎錠と大きく異なる。(参考;謎のベルソムラ10㎎錠

 

なお、エビリファイOD24㎎は、

 

統合失調症
双極性障害における躁症状の改善

 

の2つの疾患及び病態しか使えない。実際、最初の4つの適応を見ると他の2つには量的な面で処方しそうにない。

 

なおエビリファイLAIだが、比較的安価に薬価が設定されている印象。なお、エビリファイはLAI、400㎎は内服15㎎に相当する。

 

今回は実はLAIの2つの剤型(300㎎と400㎎)の話をする予定だったが、長くなるのでまた別の機会に。

 

ジェネリックの発売間際にバタバタと剤型が増えるのは1つはジェネリック対策である。エビリファイの場合、時系列的に徐々に適応範囲が広がった経緯があり、ジェネリックが発売されても、処方できる疾患は限られる。

 

特に小児の自閉症にジェネリックなんて、とんでもない話になると思う。(ジェネリックのエビリファイは自閉症の適応が認められそうにない)