ブログの記事のテンションが低い話 | kyupinの日記 気が向けば更新

ブログの記事のテンションが低い話

最近、よく思うのだが、このブログはもう長いことテンションが低い記事を書き続けている。

このテンションの意味だが、「熱意」「詳細さ」「考察」などを言う。

その理由だが、飽きてきたとはまた違うのだが、「細かい誤りを避けるための下調べ」がきつくなったことがある。記事にする以上、正確な記載をしたい。

過去ログで「間違い」の内容を記載し、読者の方から指摘を受けたものは、ほとんどの場合、原文はそのままで間違いを指摘、赤字で説明を入れている。

そのようにする理由だが、今後このようなことにならないようにと言う「自分に対しての戒め」の意味合いがある。これは自分の、

科学者は、たとえ強い感情が絡むときであっても、最終的には自らの誤りを正す。

という信念があるから。この日記は精神科だが、基本的に理系のブログである。精神科医は「脳を診る医師」なので文系ではないのは当然だと思う。

このブログはもう6年以上続いているので、最初の頃と処方ルールが変更されているものもある。だから過去ログの1記事だけを読んだ人は「これは間違っている」と思われるものもいくつかある。

ただし、ずっと読めば変更されていることもどこかで書いているか、それがわかる内容が出てくるので、いちいち但し書きはしていない。(過去ログを検索し訂正するのは大変だし時間もかかる)

例えば、今は眠剤は特別なものを除き1ヶ月まで処方できる。しかし2006年当時はそうではなかった。(2週間まで)

眠剤にみなされず眠剤的に使われるものは1ヶ月を超えて処方できる(例えばデパスやベンザリン)。ただし、これはここ6年間で変更されたものではなく、デパスとベンザリンの長期投与できる期間や根拠も異なる。

また、ラミクタールは当初は「てんかん」しか適応がなく、しかも従来の抗てんかん薬との併用でしか処方できなかったが、今は双極性障害に適応がとれ単剤投与できる。ただし、てんかんには今も単剤投与できない。

初回のラミクタールの記事は2009-09-17で比較的最近だが、それでもこんな風なのである。

僕のブログの個別の記事では、読者の反応を見る限り、遂に誰にも理解されなかったか・・と思うようなものもいくつかある。

しかしずっと後になり、突然コメントがつき、正しいことを指摘してくれる読者が現れることがあり、ちょっと嬉しかったりする。

全体を通して、このブログに書かれていることは、間違いが非常に少ないと思っている。

どこかに書いたが、「その部分だけ異常に誤りが多い」なんてことはありえない。

その理由だが、長い読者の方には既にわかっている人も多いと思うが、統合失調症、双極性障害、神経症、認知症、広汎性発達障害、症状精神病など器質性疾患・・など全ての疾患で繋がりがあるからである。

だから、全ての疾患を診ている臨床医には、個々の疾患の「基本的な傾向」や「ありがちな例外ないし特殊性」が掴めて来る。そういう理由もあり、専門ではない分野でも、妙な内容になりにくいのである。

またこのブログは、主観的なこともよく書いているが、よく考えると一理あり、専門家でさえ突っ込み難いものも多い。内容的に論文にはなりにくいが、十分に説得力があるものも多いと自分では思っている。だからこそ、精神科医からもよく好意的なメールが来るのであろう。

そういうこともあり、「突っ込んだ人が痛い人に見える」のはやむを得ない。長くこのブログを読んでいる人には、いっそう、そういう風に見えるはずである。

いずれにせよ・・このブログは、理論、臨床経験、オカルトが程よくミックスされている。(笑)

また、個々の記事の内容が、「等身大」というか、読者の方が、自分の症状に向き合い、考えさせられる部分も多い。過去ログでは、このブログはほとんど精神療法について語っていないが、ずっと読んでいると、「全体が認知療法的になっている」と言う記載がある。

結局だが、個々の精神疾患がどのような精神症状を出現させ、どのような偏った認知に陥りやすいか記載しているので、それが内省できる人たちには注意を喚起し、認知療法的なのである。


例えば、広汎性発達障害の診断範囲に入らない人たちでは、日常生活においていかなる対人関係に陥りやすいとか、どのような発言や人への反応が嫌われ、その結果、友人や同僚から避けられるようになるのかも記載している。

このブログを読んで、それを意識できる人たちは、内服薬の変更がなくても、社会性生活や日常生活の困難さは緩和するであろう。

それは、このブログが文章だからと言うのも大きい。日常会話ではそこまで浸透しないのである。その点でも、このブログを読んでなお真意が理解できない人たちは重いといえる。その理由は、日常会話ではいっそう話が通じないと思われるからである。

そのレベルの人は、普通、カウンセリングでも思ったほどの成果は上がらないどころか、拙くすると、カウンセラーと大喧嘩になる。その理由は、会話(意思疎通)と言うツールに大きな障害を来たしているからである。

僕は個人的にだが、精神科医がこのレベルの生々しい精神状態の人を、ろくに薬物療法も行わず、カウンセラーに丸投げするのも拙い対応と考えている。もう少し病状が改善してからの方が、間違いなくカウンセリングの効果も上がるものだ。

また、このブログは色々な人たちが見ているようなので、患者さんに日頃接する支援者や介護者では、「いかなる接し方が望ましいか」の参考になるであろう。

文章的にも難しい内容を避けているので、このタイプの精神科のブログやホームページの中では、かなり読みやすい方に入ると思う。

だからこそ、どのようなレベルの人でもわりあい面白いし、役にも立つのであろう。