デパケンRはどのくらいの量が必要なのか?
デパケンRは元々抗てんかん薬として使われてきた歴史があり、てんかん治療における適切な血中濃度は明確になっている。(過去ログ参照)
ところが、躁うつ病に必要な血中濃度は今も謎のままだ。
謎のままと言っているが、臨床的には「てんかんほどの血中濃度は必要ではない事が多い」という感覚はある。しかし大本営発表は、てんかんと同等の血中濃度が必要とされているようなのであった。この臨床と大本営のギャップだが、結局は人によるんだと思う。てんかん治療の血中濃度が必要な人が存在する以上、そういう風に言われても仕方がない。
デパケンRは不思議なことに200mg追加しただけでテンションが下がりうつ転模様になる人がいる。特に老人ではかなり病像を変化させることがある。この反応性の差の背景は、やはり双極性障害が単一でないことを暗示している。微妙な病型の差で必要なデパケンR量も異なっているのであろう。
過去ログで出てきた1.01の女性だが、現在、気分安定化薬は、
リーマス 1000㎎
デパケンR 800㎎
の2つで、もはや抗精神病薬は処方していない。ただ、時々レキソタンの2㎎を服用し、バッチフラワーも併用している。これでかなり落ち着いており、ちょっと悪くなっても3日も悪い時期が続かない。悪化の程度もずいぶんと軽くなっている。 何が良かったかと言うと、看護者と僕の仕事の量が相当に減ったこと。悪化時に、罵声を浴びたり無理に隔離したりがなくなった。彼女は確かにリーマス1000㎎以来、隔離されていない。トータルの薬を減らしてこの結果はたいしたものだと思う。(リーマスは増やしているが)
この人の必要なデパケンRの量だが、800㎎から600㎎に減量した場合、必ず悪化していたので最低800㎎は必要なのだろう。何度してもその悪化に再現性があるからである。
ただ、リーマスを減量できた場合、それに比例してデパケンの必要量も下がるかもしれないとは思う。このあたりのメカニズムは謎だ。やってみないとわからないし、この人に限れば、リーマスすら減量が難しい可能性が相当にある。
不思議なのは、かつてデパケンRで単剤治療していた時、さっぱり良くならなかったこと。
どうもリーマスと合わせ1本で効いているのはまだ良いとして、リーマスと併用下で、単剤時よりもなんらかの好影響を与えているように見えるのである。だから彼女の場合、リーマスがこの量である限りデパケンR800㎎は必要のような気がする。
いずれにせよ、種々の臨床場面でデパケンRの血中濃度にさほど依存しない人たちが存在しているのは確かだ。
つまり、少量でも使っていれば、全然違うと言うような人。
だから論文が何と言おうと、臨床とは違う所を見ているような気がするのよね。「デパケンR200mgは意味がない」と言ういかにも何もかもわかっているような言い方には、個人的に疑問がある。
これは非常に興味深い事実で、今後、あるテーマをアップする際にこの謎について考察することにしている。
ところが、躁うつ病に必要な血中濃度は今も謎のままだ。
謎のままと言っているが、臨床的には「てんかんほどの血中濃度は必要ではない事が多い」という感覚はある。しかし大本営発表は、てんかんと同等の血中濃度が必要とされているようなのであった。この臨床と大本営のギャップだが、結局は人によるんだと思う。てんかん治療の血中濃度が必要な人が存在する以上、そういう風に言われても仕方がない。
デパケンRは不思議なことに200mg追加しただけでテンションが下がりうつ転模様になる人がいる。特に老人ではかなり病像を変化させることがある。この反応性の差の背景は、やはり双極性障害が単一でないことを暗示している。微妙な病型の差で必要なデパケンR量も異なっているのであろう。
過去ログで出てきた1.01の女性だが、現在、気分安定化薬は、
リーマス 1000㎎
デパケンR 800㎎
の2つで、もはや抗精神病薬は処方していない。ただ、時々レキソタンの2㎎を服用し、バッチフラワーも併用している。これでかなり落ち着いており、ちょっと悪くなっても3日も悪い時期が続かない。悪化の程度もずいぶんと軽くなっている。 何が良かったかと言うと、看護者と僕の仕事の量が相当に減ったこと。悪化時に、罵声を浴びたり無理に隔離したりがなくなった。彼女は確かにリーマス1000㎎以来、隔離されていない。トータルの薬を減らしてこの結果はたいしたものだと思う。(リーマスは増やしているが)
この人の必要なデパケンRの量だが、800㎎から600㎎に減量した場合、必ず悪化していたので最低800㎎は必要なのだろう。何度してもその悪化に再現性があるからである。
ただ、リーマスを減量できた場合、それに比例してデパケンの必要量も下がるかもしれないとは思う。このあたりのメカニズムは謎だ。やってみないとわからないし、この人に限れば、リーマスすら減量が難しい可能性が相当にある。
不思議なのは、かつてデパケンRで単剤治療していた時、さっぱり良くならなかったこと。
どうもリーマスと合わせ1本で効いているのはまだ良いとして、リーマスと併用下で、単剤時よりもなんらかの好影響を与えているように見えるのである。だから彼女の場合、リーマスがこの量である限りデパケンR800㎎は必要のような気がする。
いずれにせよ、種々の臨床場面でデパケンRの血中濃度にさほど依存しない人たちが存在しているのは確かだ。
つまり、少量でも使っていれば、全然違うと言うような人。
だから論文が何と言おうと、臨床とは違う所を見ているような気がするのよね。「デパケンR200mgは意味がない」と言ういかにも何もかもわかっているような言い方には、個人的に疑問がある。
これは非常に興味深い事実で、今後、あるテーマをアップする際にこの謎について考察することにしている。