自分がうつ病になったら・・ | kyupinの日記 気が向けば更新

自分がうつ病になったら・・

自分が統合失調症になった時に比べ、まだうつ病の方が実感が得られるのではないかと思われる。僕はうつ病になった時でさえ、自分がそうだとは容易には気付けないような気がしている。

統合失調症の場合。過去ログより

もうずいぶん前だけど、精神科医3人で自分が統合失調症になったなら、どのように感じるか、あるいは理解するだろうかと話しあったことがある。結論は意外に早く出た。おそらく、「自分が統合失調症になったのに気がつかない」のではないかと。このあたり、さすが精神科医はプロフェッショナルだと思ってしまう。自分は統合失調症のことは良く知っているので、たぶん気がつくと思う、などという人は全然いなかった。この結論は、今考えてもその通りだと思っている。(「病識」から)

うつ病の場合、自分が体調が悪いのはなんとなくわかるような気がする。しかし全身倦怠感や意欲がないなどの症状はすぐにうつ状態とは思わないような気がするのよね。

急にお金の心配をするとか、あるいは急に生命保険に入ろうとか思い始めたら、やはり広い意味の微小念慮が出ていると言わざるを得ない。決してお金が充足しているわけではないのだけど、そういう普段あまり思わないようなことを考え始めるのがアレなのである。(基本的に僕は楽観的なので)

しかし、そのレベルになってしまったら、それぞれの所見がうつ病の概念と繋がらないような気もしている。

うつ病とは、つまりそういうものなのである。(←法律家がわかっていないところ。)

いつだったか、自分がうつ病になったら「信用するに足る医師は自分しかいない」などと思ったりしたが、自分が重いうつ病になったら、上の考察から自分を治療することは難しい。つまり、詰んでいるのである。

これは、自分以外の精神科医が信用にならないと言う意味とはちょっと違う。自分は専門家で長くうつ病や統合失調症を治療してきたので、自分が治療して良くならないなら悔いがないといった感じだ。(実際に、もし治療を受けるなら、市内の○○病院の□□先生くらいでしょうねぇ・・などと言ったこともある)

僕は、うつ病で希死念慮バリバリな状態なら、積極的にECTをして貰った方がいい。その方が長い時間、苦しまなくて良いし、うっかり自殺してしまったらバカらし過ぎる。それも無麻酔を希望。僕は薬に非常に弱いので麻酔が当たって死んだら意味ないからである。

だいたい無麻酔でも、ECTで死ぬなんて何万例に1回くらいだし、3日目には結構スッキリして、週末のサッカー観戦にも間に合う感じになる。あとこれは重要だが、人に薬の選択を任せた場合、順列組み合わせで、すごく場合の数があるのに比べ、ECTならするかしないか、つまりコンピュータのように0と1しかない。巧拙に人為的なものが入り込まないのである。これなら悔いはない。

ECTをしたら・・

なぜか、前より良くなったりして。(何が良くなるかは謎・・


この話をうちの病院のドクターにしたら、けっこうバカ受けで、それくらい重いならECTをして貰った方が良いという話は「激しく同意」だった。

みんな、何かのマギレで死にたくはないのである。