薬が減ることよりは病状が良くなることが重要 | kyupinの日記 気が向けば更新

薬が減ることよりは病状が良くなることが重要

患者さんは薬物が減るということを重大視しすぎる。特にネット関係の人々は。

僕の患者さんは薬の多寡を気にしない人が多い。僕が無意味と時々言っているのもある。多い少ないは個人差があるので、軽くてもわりあい薬が必要な人もいるのだ。平均すれば軽い方が少なくても済むというのはあるけどね。

一時的にしっかり治療しないと、長患いになるケースもあるので中途半端に少ない量でお茶を濁すのは良い方法とはいえない。ドクターショッピングの人たちで、うつ病圏で5年以上患っていて僕のところに来てもなかなか良くならないパターンは、トリプタノール30mgを5年とか、旧来の抗うつ剤で少量長期というのが多かった。(SSRI出現以前)

最近、ずっと死にたいと言っていた患者さんが来た。アモキサンを50mgだけ処方されていたので、まず平凡に100mgまで増量してみた。(併用薬は非定型抗精神病薬の少量)

すると、かなり自覚症状が改善して、もう希死念慮もほとんどないのだと言う。最近働けるようになった。ここまで変化があるというのもちょっと不思議なんだけど。