ウインドウズとマッキントッシュ | kyupinの日記 気が向けば更新

ウインドウズとマッキントッシュ

僕が初めて買ったパソコンはマッキントッシュであった。友人によれば医師ならその方が仲間が多いし、バカでも使えると言うのがお薦めのポイントらしかった。最初に買ったモデルはまだパワーマックが出る前で、  

Macintosh Performa575
CPU    68LC040 33MHz
メモリ   8MB (最大36MB)
ハードディスク  250MB
CD    2X
OS    漢字talk7.1


というモデルである。当時これらは68Kマックと呼ばれた。僕はこの一体型のパソコンを25万円くらいで買ったような記憶があるが、ひょっとしたらプリンタ込みの価格が25万だったかもしれない。

いざ使い始めると、フリーズの山で全然使い物にならなかった。この理由だが、メモリが8メガバイトしかなかったことと、使い方をよく理解しておらず、たくさんのソフトを同時に立ち上げて動かしていたことがある。このいちいちソフトを閉じて、次のタスクに移るということに気がついていたら、もう少し使えていたかもしれない。結局、全く使わずにその後2年くらい放置していた。まさに家具と一緒であった。

ところが、ある時、どうしてもインターネットをしたくなったのである。最初、このシステムでインターネットが可能かどうかさえわからなかったので、このモデルの型番をメモして近くの専門店に相談に行った。パソコン屋のお兄ちゃんがブラウザソフトは持っているか?と聞くのであるが、そんな専門語なんて僕は知らない。あとモデムが必要という。ソニー製のモデムを1万以上出して買った。これは今から考えるとけっこう大きいものであった。それとメモリも増やす必要があるでしょうという。メモリは32MBのものを14000円ほどで、ネットスケープコミュニケータというブラウザソフトを7000円くらいで買い求めた。

後ですぐに気がついたのであるが、ブラウザソフトなんて、パソコン雑誌についている無料ソフトにあるじゃん。そうならそうと教えてくれよ。当時のマックのOSのマイナーアップグレードはマックの雑誌に付いている無料CDで行うことができた。毎回は買わなくて良いけど、時々は雑誌を買わないといけないのである。

ところで、インターネットに繋げようと思い立ちネットスケープなどを買って来て最終的に繋がるまで、なんと1週間もかかったのである。今なら、きっと途中でギブアップしていたと思う。なぜ難しかったかというと、モデムのドライバーファイル?が間違っていたからだった。これをどこからか見つけて来てインストールしやっと稼動した。初めてインターネットに繋がった時は感無量だった。

これは僕がへたれていたので難しかったと思ったのであるが、僕の友人ですごくパソコンに詳しい人でも丸1週間かかったというので、1人でできたことはアッパレなことであった。最初はインターネットでいろいろなサイトを見て廻っていただけだが、ある時、偶然2ちゃんねるに行き着き現在に至るのである。

当時、68Kマックでは閲覧できないサイトもみられ、インターネットは荷が重過ぎると感じ、マックを買い換えることにした。当時、世界最速という噂のパワーマックG3の発売を待った。そうして、G3-266というデスクトップに買い換えたのである。まだ本体だけで結構な値段がした。またダイアモンドトロンというモニターも買ったが、この三菱電機製ダイアモンドトロンは、トリニトロンのジェネリックみたいなものであろう。というか、僕はそう思った。プリンタも含め、なんだかんだで50万以上はかかった。G3のマックを使い始めると、その速さに感動した。パソコンのくせに計算が遅いのは罪だと思う。なぜかというと見ていて腹が立つから。

そうこうしているうちに、デスクトップに嫌気が差してきたのである。理由は2つある。デスクトップだと、ベッドに寝転んでインターネットができない。また、できれば同じタスクを職場でも継続したい。あと、モニターの電磁波である。あのブラウン管はきっと体に悪いと思う。パソコンで作業をすることは、至近距離でずっと光源を凝視しているのと同じだ。子供の頃からテレビは近くで見てはいけませんと躾けられたのに、あれはなんなんだと言いたい。

当時、マッキントッシュは小型ノートを出す気持がないように見えたので、ウインドウズに乗り換えようかと思い始めた。僕がウンドウズを使いたくなかったのは、そのOSのダサさと使い勝手の悪さである。あと、マックのソフト資産がすべて使えなくなるのは相当に痛いと感じた。買い換えるなら、旅行にも持っていけるほどの小型でなければならない。迷った末にパナソニックのS22を買ったのである。これはトラックボール仕様であり相当な優れものと言えた。この日以来、僕はウインドウズ使いなのである。特に買ってきたその日のうちにインターネットに開通したのは感動ものだった。ウインドウズもバカでも使えるようになりつつあるのを感じた。

ウインドウズを使う際に最も嫌だったのは、突然ウインドウが開き、それをなんとかしないと、次に進めないような時があることだった。この点だけはマックと相当に違った。いったんこうなると、ウインドウを右にも左にも動かすことすらできない。

「ウインドウの裏が見られないじゃないか!」

この動かせないというのが、元マカーにはストレスなのである。いちいちこだわりが強いというか、細かいことにうるさいパソコンだと思った。それに比べ、マッキントッシュはいろいろウインドウを空けても、自由に動かすことが出来、その点で非常に緩いというか、硬直したシステムではないと感じる。

ウインドウズが「動かせない窓」をあけた時、そのタスクをしないと「次には進めないよ」と言ってくる。その時、他のタスクをたまにはしたいと思う。でもさせてくれない。右から左に受け流せないのである。

たぶん、ウンドウズには発達障害があると思うよ。
その瞬間、時間が止まってしまうから。

ウインドウズはどのような発達障害に似ているかというと、もちろんアスペルガー症候群である。このほかのことができないという腹立たしさは、ひょっとしたら、アスペルガーの子供に感じる苛立ちと似ているのかもしれない。

では、マッキントッシュは何なのだろうか?

マックに十分なメモリを積んでいると、際限なく窓を開くことができる。また、中途半端に止めても他の仕事が支障なくでき、しかも元にすぐに戻れる。気が多い人向けなのである。こういう点で、マッキントッシュは軽いADHDに似ていると言えなくもない。

僕はこのようにADHDに見切りをつけ、軽いアスペルガーの面倒を見るようになったのである。

参考
2ちゃんねるのオフ会